夏の冷えの漢方は症状で使い分ける~下痢・頭痛・むくみ~

2015年7月14日

冷え性と漢方

夏の冷えの漢方は症状で使い分ける~下痢・頭痛・むくみ~

夏に冷え?

「冷えは冬」と思われますが、実は冷えの相談は夏にも多く最近は種々の病気に冷えが関係していることも多いことが分かっています。

特に夏は職場ではクーラーをガンガンつけていたり、スーパーやショッピングモール、大型商業施設など、どこに行っても涼しいですよね^^

でもみんなそれぞれ体質があって、みんなちょうど良くても自分は寒い・・・職場では、暑がりの人が周りを気にせずガンガン冷房を入れる・・・

「冷え」の症状も様々

手足が冷えるんです。お腹が冷たいんです。足腰がひどく冷えるんです。と部分的に冷えるという方、

冷えはあまり気にならないけど、食欲がなくてずっと軟便か下痢して元気がでないんです。や、頭痛が酷くて・・・と冷え自体より冷えからくる症状がある方、

冷えは全体的にという方などなど。

なぜ冷えるとおしっこが近くなる?

身体は冷えに対してもある程度防御しようと試みます。

例えば、冬にトイレが近くなる。それは身体を冷えから守るため余分な水分を体外に出して冷えないようにしようとしているからです。

鼻水が出る。これも鼻の中を乾かさないように、そして顔の冷えを取るために鼻水として余分な水分を外に出すため。

ガタガタ震えるのは筋肉の摩擦によって体温を上げるため。寒いと手を擦りますよね^^

下痢も身体の冷えを取るためと、腸内の温度が下がると悪玉菌が急激に増えるためそれを出して身体をまもるため。

と、無意識に働いて常に身体を守ろうとしています。

キーとなる生薬は「生姜」と「甘草」

漢方はその症状に合わせて処方される。というか、その体の状態を如何に早く正常な(健康な)状態に復帰させるか?という事になります。

冷えには様々な漢方薬が用いられますが、私として一番大事だと思う、漢方処方に含まれる生薬は「生姜」と「甘草」じゃないかな?と思います。

この2つを合わせると「甘草乾姜湯」という処方になります。これは①手足の冷え②多尿、頻尿③よだれや多量の唾がでる④咳、喘息、気管支炎などの症状で用います。

これに人参と白朮を加えると、「人参湯」となり、お腹を中心とした冷えに関する諸症状を改善します。

さらに桂枝を加えると頭痛にも効果があります。

また茯苓と白朮を加えると「苓姜朮甘湯」となって下半身、腰から脚の冷えと頻尿、多尿に効果があります。

甘草乾姜湯+白朮+人参   →人参湯

甘草乾姜湯+白朮+人参+桂枝→桂枝人参湯

甘草乾姜湯+白朮+茯苓   →苓姜朮甘湯

これ以外にも甘草乾姜湯をベースにした処方は様々あり、小青竜湯、苓甘姜味辛夏仁湯、半夏瀉心湯、柴胡桂枝乾姜湯、などなど多岐にわたります。

漢方薬は人それぞれ症状の流れに沿って加える生薬を選んでいく。これがオーダーメイドの所以ですね。


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執筆者 千代樵 豊
漢方薬については中学生の時から縁があったように思います。
そして大学を卒業してからずっと漢方薬と共に歩んできました。
だからか、人と話をしていると自然と鑑別(漢方薬を決める作業)している
自分がいます。
調剤薬局でも勤務しているため、日々西洋と東洋の狭間で生きています。
一生勉強、一生修行のもと、頑張ってます!

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