抗がん剤の副作用①手足のしびれには牛車腎気丸だけじゃない

2015年10月9日

癌と漢方

抗がん剤の副作用①手足のしびれには牛車腎気丸だけじゃない

QLife『抗がん剤の副作用とその軽減方法』に関する大規模患者調査

”QLifeは、独立行政法人国立がん研究センター研究所 がん患者病態生理研究分野 分野長 上園 保仁先生監修のもと、がんと診断された患者さんを対象にインターネットで、『抗がん剤の副作用とその軽減方法』に関する調査を実施。2249人から回答を得た。”

以下、調査結果から漢方に関する部分を抜粋し、漢方の視点から情報を発信したいと思います。

抗がん剤の副作用で最も多いのは?

”抗がん剤経験者のうち「何らかの副作用があった」と答えたのが88.1%

上位から「倦怠感・疲れ 61.2%」「食欲不振 54.5%」「吐き気・嘔吐 53.8%」で過半数がこの3つの副作用を経験しています。

次に多いのが「手足のしびれ 31.6%」「無気力 26.6%」「口内炎 25.8%」と続きます。

特筆すべきなのは、乳がんで「手足のしびれ」と「口内炎」が、大腸・直腸がんで「手足のしびれ」が40%を越えている点です。”

抗がん剤と言っても何種類もあり、発現する副作用にも特徴があります。手足のしびれが発現する抗がん剤は、タキサン系製剤(パクリタキセル・ドセタキセルなど)、ビンカアルカロイド製剤(ビンクリスチンなど)、白金製剤(シスプラチン・カルボプラチンなど)で、乳房・大腸・直腸の抗がん剤治療で頻用されているということだと思います。

副作用軽減のために漢方は有効?

”副作用軽減目的で処方されたうち、22.6%は漢方薬が処方されています。

その中でも「手足のしびれ 41.1%」が最も多く、「吐き気・嘔吐 30.3%」「倦怠感・疲れ 24.2%」と続く。

服用した結果約6割が改善したと実感しており、西洋薬を服用した場合の効果実感と同等のものだった。”

別の調査でも約2/3の医師が抗がん剤の副作用軽減のために漢方薬を処方しているという結果があり、思いのほか漢方薬が臨床で役立っていることを嬉しく思います。

「手足のしびれ」に対してが一番多かったのは意外です。それだけ牛車腎気丸の手足のしびれに対するエビデンスデータが揃っているのでしょう。しかし、過半数が経験する「倦怠感・疲れ」「食欲不振」「吐き気・嘔吐」こそ、漢方の出番では!?と感じます。もっともっと漢方の良さが認知されれば、抗がん剤治療での苦しみが少しでも軽減されのではないかと思います。

手足のしびれには牛車腎気丸以外にもたくさんある

現在最も頻用されている牛車腎気丸についても、もっと選択肢が広くあることを知って頂きたいと感じます。

牛車腎気丸ももちろん手足のしびれに有効な漢方ではありますが、漢方はあくまでも体質によって使い分けます。もし、牛車腎気丸で手足のしびれが良くならなかった方も、もっと自分に合った漢方で改善する可能性があります。

【下半身の冷え・手よりも足のしびれがひどい・むくみ・腰痛・下半身が重だるい・尿量減少】→牛車腎気丸

【手足の冷え・足よりも手のしびれがひどい・むくみ・胃腸虚弱・下痢傾向・のぼせ】→桂枝加苓朮附湯

【手足のしびれ・遊走性のしびれ・軽度のむくみ・皮膚の乾燥・腰痛・筋肉の引きつり】→疎経活血湯

特に、抗がん剤治療中は多くの方が何らかの胃腸の不調を感じていらっしゃることから、胃腸が弱い方には不向きな牛車腎気丸や疎経活血湯よりも胃腸が弱い方にも使える桂枝加苓朮附湯のほうが重宝するのではないか?と個人的には思っています。

 

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執筆者 福田 茜
九州大学薬学部卒 漢方みず堂漢方専門相談員
病院やメーカーを経て、株式会社漢方みず堂へ入社。
3児の母でもあり、妊娠・出産・子育てに関する漢方経験も多数あります。
福岡RKBラジオ「みず堂のなるほど漢方塾」には”優しいあかね先生”として出演しています。
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