僕の断食体験vol.2~目覚めの良い朝~

2016年2月25日

マクロビオティック

僕の断食体験vol.2~目覚めの良い朝~

目覚めの良い朝

やはり少食(かつ早い時間の食事)にすると目覚めがよいと明らかに感じる朝。
いつもとは違って目覚ましのアラームに素直に従える自分がそこにはいました。

時間は6時。布団から出るとさらに目が覚めるような冷気が待ち受けており、その瞬間、目よりも先に手の方が先にストーブのスイッチを見つけました。少し空気が和らいできたことを確認し、一気に着替えを済ませ、部屋の外の流しで顔を洗い、これまた冷たい水がより意識をはっきりさせてくれました。

起床時間の7時まで少し時間があった為、部屋のストーブの前で昨晩読みかけの本を手に読み進めます。

期待されたお通じの便りがくる気配は全くなく、やはり自身の便秘体質は相当なものかと改めて自覚しましたが、いつもより良い目覚めと、冷気、冷水のお陰か、寝起きにしてはドンドン読み進められる感覚が新鮮に感じられ、今後の断食への新たな楽しみが見つかったようでした。

あっという間に7時25分。予定されていた静座の為に広間へ向かいます。

静座

広間へ入ると、昨日と同じようにヒーターの音だけが聞こえる中、右手の仏壇!?の前に座布団が1つ。その後ろに座布団が2つ。

一瞬考えた後、入り口側の後ろの座布団に正座しました。やはり新人は下座で。

残りの座布団はあと2つ・・・。

明らかにこの後、この広間に二人の人間が入ってくると考えると妙に緊張しました。

僕がこの道場で出会っているのは、最初のやや頼りない老人、食事の準備をしていた女性。出会ってはいないが、世話係の男性。

この中の誰かが私の隣の座布団に座るはず。そして、前方の座布団に座るのは一体誰なのか?

本命はあの老人か!?
はたまた世話係に扮した道場主か?!

静座どころか、心が乱れに乱れてしまった自分を恥じ、再び全てを受け入れる心構えに・・・。

座布団の前に置いてある紙に目を通そうとした時、左の引き戸が空き、ラフな格好の見知らぬ40代半ばの男性と目が合いました。

時間ぎりぎりに登場したにも関わらず、全く慌てる様子もなく、寝起きのような表情や、やや乱れた着衣から、相当なベテランであることは理解でき、昨日見た世話係の部屋の雰囲気にぴったりの印象から世話係の男性であることを確信しました。

お互い会釈をし、男性は私の隣の座布団に胡坐をかいて座りました。

「昨日からお世話になっております。伏見と申します。よろしくお願いします。」と挨拶をすると、「どうも。」と一言返事が返ってきただけで、その後沈黙・・・。よそよそしく資料に目をやります。

般若心経のような少し違うような漢字が並んでおり、その意味を読み取ろうとしますが、すぐにそれは不可能と自覚し諦め、道場主の登場を待ちます。

5分ほど経過しましたが、まだ前方の座布団は空席のまま・・・。
左の引き戸が開き、昨日の女性から道場主が遅れていると告げられました。

沈黙の中、ヒーターの音だけが響き渡る広間。

残るはあの老人だけ・・・。

その時、誰も出入りをしていない左側の引き戸がおもむろに開き、70代前後の女性が入場してこられました。

袈裟の様なものを身にまとい、その風貌から明らかに道場主。

簡単に自己紹介をし合いました。
壁に掛かっていた道場主らしき肖像画は先代のものらしく、現在は先代の奥様が道場主を引き継いでるという事。
咽喉を手術したばかりで、声が出にくい事など一通り説明を受け、いよいよ、静座が始まります。

そのような体調で、私一人の為に申し訳ないと言う気持ちにもなりましたが、そうこうしている内に静座が始まりました。

しかし、静座のやり方について一切説明がなく、道場主が紙に沿って般若心経のようなものを唱えるのに続いて、隣の世話係の男性が続いて唱えるのをとにかく見よう見真似。漢字の読み方と、独特のリズムと、さらに独特の抑揚に翻弄され続けました。

静座中は言葉の意味を考える余裕はありませんでしたが、とにかく無我夢中で唱えることで、気持ちが整っていくのを感じました。

断食中はいかに食欲に負けずに、心を平静に保つかが大切です。この静座も精神を強くする意味を持つようです。

断食の精神面に対する効用

”断食修行の体験は「本能的欲望」の最大の食欲、すなわち食物をある期間「絶つ」という困苦に打ち勝つ意志を鍛錬することができる。そして断食終了後は「神様、仏様、ご先祖様、ありがとうございます」と感謝と喜びに満ち溢れ、神経とホルモンバランスの調和もよくなる。”と頂いた資料にも書かれていました。

心地よい空腹感の中、姿勢を正し、神聖な言葉を声に出して唱える。
自然に呼吸も深くなり、精神も整い、気持ちも強固になるように感じることができました。

静座を終えると、自然に体が温まり、細胞が活発になってるようにも思えます。

掃除は場も心も清める

静座の後は、落ち葉だらけの中庭の掃除です。
世話係の男性の案内で、箒と塵取りを受け取り、大体の掃除範囲の指示を受け、無心に落ち葉を掃き取っていきます。
掃除は、場を清めるだけでなく心も清めるという感覚は、山奥では尚一層強く感じることができました。
掃いては舞い落りてくる葉。何か試されているような気にもなりますが、その一枚一枚までを丁寧に掃いていると、いつの間にか落ち葉だらけだった中庭はきれいになっています。やはり日常でも、同じような事がある事に気がつかされます。

大変な問題も、結局は小さな問題の積み重ね。
その解決中にも小さな問題は次々に振ってきます。
見て見ぬ振りをすれば、一見同じようでも、実は落ち葉のように深く深く積みあがっていきます。
やはり大切なのは、毎日小さな事の積み重ね。
その積み重ねが解決への着実な道にもなりますし、その内、降り落ちてきている問題にもすぐに対処できるようになるようにも思えます。

さて、そろそろお茶の時間です。

そういえば、今日はあの老人の姿を見ていない。元気だろうか。やけに気になります。

 

<次に続く:僕の断食体験vol.3~陽性の飲み物「梅醤番茶」~

 

※関連記事

僕の断食体験~プロローグ~

僕の断食体験vol.1~初日~

僕の断食体験vol.4~環境による心への影響~

僕の断食体験vol.5~初めての体験~

僕の断食体験vol.6~持続する集中力~

僕の断食体験vol.7~冷たい水は飲み込めない~

僕の断食体験vol.8~ちくわの誘惑~

僕の断食体験vol.9~3日目の脱力感~

僕の断食体験vol.10~心と身体はどちらが強い?~

僕の断食体験vol.11~ついに脾気虚・肺気虚になる~

僕の断食体験vol.12~癌(ガン)と正食~

僕の断食体験vol.13~力みなぎってきた5日目~


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執筆者 伏見 浩幸
漢方薬の持つ力の素晴らしさとともに、人間の持っている力もすごいなぁと日々感じています。漢方薬だけではなく、私たち自身も相談員としてお客様の「薬」なることはもちろん、今、色々なご病気で悩まれている方々も、授かった命と一緒に当然備わっている自分自身の自然治癒力に自信を持ち、自分自身が「薬」になるお手伝いができればと考えています。そんな願いを込めて一話一話を綴らせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
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