僕の断食体験vol.3~陽性の飲み物「梅醤番茶」~

2016年4月20日

マクロビオティック

僕の断食体験vol.3~陽性の飲み物「梅醤番茶」~

梅醤番茶の時間

掃除で身体が程よく温まり足の裏の感覚も敏感になったせいか、または心まで少しだけ綺麗になったせいか、広間までの廊下の木を踏みしめる度に、木の息吹のようなものを感じるような感覚を覚えます。これまで普通に生活をしていて、実は観えなくなっているものや感じなくなっているものが多くあるように思えます。このように断食生活では身体だけでなく心まで綺麗になっていくような感覚を覚えます。

さて、広間に到着し、引き戸を開けると、前日食事をいただいた小さな机の上にお盆に乗せられたいくつかの小鉢や湯のみがありました。

それらと一緒に手書きで書かれた「梅醤番茶の作り方」の紙も添えられていました。

1.湯のみの中に梅干しを入れ、箸で梅干の種を除き、よくほぐす
2.湯飲みに醤油を適量入れてなじませる
3.番茶を注ぎ、良く混ぜる
必ず順番を守りましょう。
(生姜を入れる方が一般的のようですが、ここでは生姜は使用しないようでした。)

想像しただけで唾液が溢れ出てきます。

順番通りに作らなければならない理由が気になるところでしたが、指示通り順番を守って作りました。(理由は後から調べてもよく分かりませんが、この順番通りでなければ違うものになってしまうそうです。)

因みに梅醤番茶は、生理痛、疲労回復、冷え性、貧血、風邪、胃腸の病気、心臓病、腎臓病、肝機能障害、糖尿病など非常に多くの症状に良いそうですが、基本的には陽性が強い飲み物ですので、陰性体質向けの飲み物でもあります。

私は完全に陽性体質ですが、断食中は身体が一時的にエネルギー不足になり陰性に傾くせいか、梅の酸味と塩味が非常に美味しく感じました。

今日から本格的に断食だと思うと、無意識に梅肉の小さな欠片さえも何度も噛み締めながら食べている自分に気がつきます。そして、これまで数回噛んで味だけ楽しんで飲み込むといった雑な食べ方をしていたと反省もしながら・・・。

梅醤番茶をおそらく20分くらいかけてゆっくり味わった後は、お盆の隅に置かれた下剤2錠を手に取り、これは一気に飲み込みました。(お通じがなかったことを伝えていたので追加で出していただきました。)

本断食初日の朝食

この後の朝食(味噌汁)までの約1時間は、断食道場付近を歩き体を動かします。

山頂には、大きなお寺があり、参拝される方も割と多く昔ながらの観光地の様でもありました。真っ赤な紅葉と鮮黄の銀杏が山肌を埋め尽くしていて、道の脇にも立派な紅葉や銀杏の木が並んでいます。私の年齢の何倍も生きていると思われるような樹木同士が、この時ばかりは競い合うように地面を赤や黄色に染め合っているかのようでもあります。

標高も高い為、雲を近く感じ、肌は寒さを感じますが、身体の中は掃除と梅醤番茶でポカポカで非常に心地よく、気持ちも表情の穏やかに歩いていると、時々すれ違う一般の方に、「ご苦労様です。」と声をかけられるのは、私が丸坊主のせい。これは想定内でした。

まだ本断食初日ということもあり体力的にも余裕がありましたが、断食中の激しい運動は危険なので控えるように言われていましたので、なるべく綺麗な空気と景色を楽しむようにしました。

あっという間に一時間が過ぎ、朝食の時間です。

朝食は個室に持っていただけるということで、少し緊張気味に正座をして待っていると、「朝食をお持ちいたしました」との声が聞こえたので、ドアを開け、お盆の上でいい香りの湯気を放つ味噌汁を受け取りました。

昆布と椎茸だけで出汁をとったという味噌汁は、具が一切ありません。
梅醤番茶同様に大切に飲もうという気持ちが自然に湧いてきます。

「いただきます・・・。」

部屋で一人、手を合わせ、声に出して。食べる前にこんなに長く手を合わせたことはないかもしれません。改めてこれまで食べ物に対して雑に接していた自分に気がつきます。

一口含んでは、数十回噛みながら飲みます。

その間、この味噌汁をつくった人の事を思い、また食材を山の上まで運ぶ手間、食材を育て収穫する人の事、昆布や椎茸の生長の過程、それらを育てる自然・・・。様々な事を想像します。

味噌汁という物質と共に、観えない大切なものも一緒に身体に染み込んでいくようです。

カロリーとは別のエネルギーをいただき、心も身体もすっきりしたところで次は体操の時間です。

断食道場での体操

希望すれば1日おきで教えていただけるということで、何やら古風な体操でも教授していただけるかもしれないという大きな期待を抱き、もしかしてついにあの老人が!?と、常にどこかで期待をしつつ、広間で一人待っていると、引き戸がガラガラと開きました。

目の前に現れたのは、食事の用意をしていただいていた中年の女性。
一変してスポーティな出で立ちで登場。手には青色のクッション性の捧(ストレッチポール)を持って・・・。
まさかの最新式(当時)・・・。

 

<次に続く:僕の断食体験vol.4~環境による心への影響~

 

※関連記事

僕の断食体験~プロローグ~

僕の断食体験vol.1~初日~

僕の断食体験vol.2~目覚めの良い朝~

僕の断食体験vol.5~初めての体験~

僕の断食体験vol.6~持続する集中力~

僕の断食体験vol.7~冷たい水は飲み込めない~

僕の断食体験vol.8~ちくわの誘惑~

僕の断食体験vol.9~3日目の脱力感~

僕の断食体験vol.10~心と身体はどちらが強い?~

僕の断食体験vol.11~ついに脾気虚・肺気虚になる~


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執筆者 伏見 浩幸
漢方薬の持つ力の素晴らしさとともに、人間の持っている力もすごいなぁと日々感じています。漢方薬だけではなく、私たち自身も相談員としてお客様の「薬」なることはもちろん、今、色々なご病気で悩まれている方々も、授かった命と一緒に当然備わっている自分自身の自然治癒力に自信を持ち、自分自身が「薬」になるお手伝いができればと考えています。そんな願いを込めて一話一話を綴らせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。

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