僕の断食体験vol.5~初めての体験~

2016年7月14日

マクロビオティック

僕の断食体験vol.5~初めての体験~

いよいよ道場長の講話です。

広間のテレビの前にポツンと置かれたテーブルの前に腰を下ろしました。

道場長は、テレビ台の下に数本並んでいる年期が入ったビデオテープの中から一本を選び、そのままデッキへ挿入・・・。

途中から勘づいていましたが、ビデオによる講話です

テレビ画面の中に昭和を感じさせる服装の中年の男性がおもむろに話を始めます。

興味深い内容で、気になるところは必死にメモを取りながら聞き入っていた為、あっという間の30分でした。メモした内容を以下にいくつか紹介させていただきます。

<断食における減食について>

・減食期間に突然断食をすると細胞が急変して気分が悪くなることがあるので、断食を始める前の三日間くらいはだんだんと食事の量を減らし、自然に断食に入るようにすることが必要。

・酸性化している血液を断食道場の玄米菜食による食物によって少しでもきれいで濃い血液にしてから断食にはいったほうが効果的。

・身体が衰弱している人や痩せている人、重病の人は断食反応が強く出ることがある。その場合は減食療法をおこなう。

<断食後の復食期間について>

・一定期間断食をすれば病気が治る訳ではない。断食は土台作りで、復食期間の食養生が仕上げになる。断食後の捕食に入ってくると、ある時期、異常に食欲が起こる場合がある。この時期に無茶な食べ方をすると、せっかくの断食修行が失敗となる。一日目は重湯と梅干しから、二日目は三分粥と、徐々に捕食していく期間が必要。 

<腸の掃除をし、血液を弱アリカリ性に保ち、自然治癒力を引き出してくれる食事>

・おかゆ:腸の弱い人、老人、陽性体質で玄米ご飯の食べにくい人に使える。腸の病気の場合は、長期間かけてつくったおかゆを与える。

・ごま塩:老化防止、鎮痛、強精、浄血、健脳、美肌などの効能があり、毎日ご飯にかけて食べると良い。

・海藻:少しずつでも毎日食べていると、カルシウム、鉄分が強化され、一日の必要摂取量のうち、かなりをとれる。

・根菜類と葉菜類:全食事量の2~4割くらいとるとよい。 

<断食後の食養生について>

・主食としては、玄米、そば、うどん。

・副食は野菜、海藻、植物性蛋白で、調味料は本物の塩、みそ、醤油、ゴマ油を使い、味付けに砂糖は一切使わない。化学添加物は避ける。

・風土季節にあったもの、食物の陰陽のバランスをとる。

・よく噛むこと。

・どんな動物も身体の調子が悪い時は断食をするが、人間は適応能力が高いゆえに、間違った食生活をある程度は続けていける。

 

ビデオの終わる時間を見計らってタイミングよく道場長が現れたので、ビデオの内容について疑問に思った事を1つ2つ聞いてみましたが、解答は得られず・・・。

先代がいた時は、自ら講話をされていたそうですが、お亡くなりになってからは、講話をできる人がおらず、やむなくビデオにしたというお話を伺いました。

喉の調子が悪いからビデオにしているわけではないと知り、と同時に細かい知識については聞く人がいない現実を目の当たりにしました・・・。

日頃、無表情で通っている私にも流石に落胆の表情が出たのか、またはその気持ちを察していただいたのか、道場内の断食や正食について学べる本が沢山あるという場所を教えてくれました。

初めての体験

本のことも気になりましたが、空腹感も出てきたので、気分転換も兼ねて再び外出。

ヒーターから出ている少しガス臭い部屋から、一気に真水の中に飛びこんだかのように、澄んだ空気が肌と体内へ吸い込まれるように入ってくるのを感じます。

このような「気をいただく」という感覚は、日常なかなか得られません。歩くことよりも感じることを中心にした散歩は 初めての体験でした。

空腹感はありながら、外気がとても心地よく、精神も少し研ぎ澄まされたような感覚。葉っぱが揺れる動きやその音、風の音、空気の流れを敏感に肌の細胞1つ1つがキャッチしているかのような妙な感覚を覚えます。

極端に言えば、360度を感じ観ている感覚。

流石に言い過ぎましたが、昨日や今日の午前中は、視覚から得られる世界を中心に神経を使っていたのだと気付きます。

人は見たいものしか見えないし、聴きたい事しか耳には入ってこないと言われます。意識をどこに合わせるかで世界は全く変わるということを実感できる体験でした。

きっとこれまでいろんなものを見過ごしながら生きていたのかもしれない。そう思うと少しもったいない生き方をしていたと日常を省みました。

よく分からない何か

話は少しそれますが、世の中には食事をしなくても生きていられるという人が10万人程いるそうです。

彼らは何を食べているかというと、主に天の気と地の気を食べているそうです。ですから気食とも言われています。

天の気とは太陽、月、惑星などからのエネルギーや空気も含まれます。地の気とは、飲食物も含まれますが、大地からのエネルギーです。

訓練次第で、目や体全体で天の気を吸収し、また足の裏から大地のエネルギーである地の気をいただく事で生命エネルギーを養う事が出来るようになるそうです。

現代科学では説明がつかないですが、実際にそういう人々がいるという事は事実のようです。

それだけ人間の体は奥深く、まだまだわからないことだらけ。

この断食に関しても様々な説があり、すべてのメカニズムが科学的に解明されているわけではありませんが、数え切れないほどの病気克服の事例が存在することも事実。

その、わからないけれど、確かに存在する「何か」を感じられるかもしれないという期待を持って今回の私は断食へ臨んでいました。

先ほどの「気をいただく」という感覚は、その「何か」に少し触れたような実感がありました。

本の部屋へ

無意識に歩いている内に、いつのまにか道場に戻ってきました。

夕食の16時まではまだ少し時間があったので、道場長に教えていただいた本の部屋へ行くことに。

指示された部屋へ行くと、そこは初日に受付をした部屋…。

引き戸を開けると、奥に人の気配を感じました。

奥に腰掛けていたのは、あの老人。

昨日も会っていたのですが、無意識に心の中ではずっと探していたのだと思います。

ドラゴンクエストで探していた人に出会ったかのような小さな感動がありました。

早速話しかけてみます。

私:「本、見てもいいですか?」

老人:「…。ん?」(寝てた!?)

私:「あ、すみません。本、見せていただいてもいいですか?」

老人:「ああ、好きなだけ見ていいよ。」(寝ていようと寝ていなかろうと動じない雰囲気・・・。)

壁一面の本棚の中に、断食や正食に関する書籍が新旧様々並んでいます。

どれから見てみようか…。色々ありすぎて選べない…。

しかも、この4畳半ほどの狭い空間に老人と私の2人。静かすぎて本棚のガラス戸を開ける音にも妙に気を使ってしまいます。

気づけば「気をいただいている」という感覚を早々に失った以前の自分に戻っていました。

<次に続く:僕の断食体験vol.6~持続する集中力~

 

※関連記事

僕の断食体験~プロローグ~

僕の断食体験vol.1~初日~

僕の断食体験vol.2~目覚めの良い朝~

僕の断食体験vol.3~陽性の飲み物「梅醤番茶」~

僕の断食体験vol.4~環境による心への影響~

僕の断食体験vol.7~冷たい水は飲み込めない~

僕の断食体験vol.8~ちくわの誘惑~

僕の断食体験vol.9~3日目の脱力感~

僕の断食体験vol.10~心と身体はどちらが強い?~

僕の断食体験vol.11~ついに脾気虚・肺気虚になる~

僕の断食体験vol.12~癌(ガン)と正食~

僕の断食体験vol.13~力みなぎってきた5日目~

僕の断食体験vol.14~命とは、生とは、死とは~

僕の断食体験vol.15~人生で一番痩せた日~

僕の断食体験vol.16~僕は断食によって何を得たのか?~


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執筆者 伏見 浩幸
漢方薬の持つ力の素晴らしさとともに、人間の持っている力もすごいなぁと日々感じています。漢方薬だけではなく、私たち自身も相談員としてお客様の「薬」なることはもちろん、今、色々なご病気で悩まれている方々も、授かった命と一緒に当然備わっている自分自身の自然治癒力に自信を持ち、自分自身が「薬」になるお手伝いができればと考えています。そんな願いを込めて一話一話を綴らせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
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