僕の断食体験vol.8~ちくわの誘惑~

2016年10月17日

マクロビオティック

僕の断食体験vol.8~ちくわの誘惑~

法隆寺へ

「法隆寺へ歩いて行って見られませんか?山を下って片道10キロ程の所にありますよ。」

予期せぬ申し出に一瞬言葉に詰まりました。

毎日少しルートは変えつつも、同じ山を登ったり降りたりしており、少しマンネリ化し始めた頃でしたので、有難い申し出でした。

「体調が悪くない方は、行かれる方が多いですよ。」「では、是非行ってみたいです。」

新しい事への期待、法隆寺へ初めて行ける喜び、下界へ降りられる期待⁈が入り混じり、邪念含みの妙な笑顔であったはずです。

早速、地図付きのパンフレットを渡され、指示された老人の元へ行き、預かられていた財布から数百円だけを受け取りました。

往復すると20キロなので、帰路はバスで帰ることになっていました。バス代に加えて、お茶を一本買えるだけの現金をポケットに入れて、新たな旅へ出発です。

自然と一体になる感覚

今日も、見上げれば鮮やかな青空と、所々に真っ白な雲。

そして、視線を落とせば辺りは真っ赤に燃えるような紅葉、足下の道はイチョウの葉で黄色一色に染められています。

その中を一歩一歩進むごとに、新しい澄んだ空気が肌に触れ、五感の全てで自然と一体になる感覚。

日ごとにこのような感覚が増しているようです。

身体の中の自然の部分が目覚め始めている様な不思議で、心地良い感覚。

心も体も自然体とは、こう言う事なのだと実感します。

改めて、人間も自然の一部である事を知り、人とだけ生きているわけではない事に気付かされます。

植物がない場所はあるかもしれませんが、空や空気や太陽の光などはどこにでもあります。

きっと、普段は人や仕事にだけ意識がいき、今ある自然を見ていなかったのだと思います。

普段から自然を見ようとして、自然を感じる感性を育む事をしていれば、きっといつも自然体になれそうです。

これから向かう法隆寺はご存知の通り聖徳太子と関わりが深いですが、実は今いるこの山も今から約1400年前、聖徳太子が物部守屋を攻めたときに毘沙門天が現れたと言われていると由緒ある場所です。

想像ですが、当時に比べると、段々と神聖な「場」に対する向き合い方は、やはり軽くなってきているのだと思います。

自然やもっと大きな存在によって、私達は生かされている。

こういう感覚は、自然も人も自分も、大切に丁寧に扱いたいという気持ちにさせてくれるように感じます。

ちくわの誘惑

しかし、まだまだ俗世の人間。そのような感覚は一瞬にして消し去られました。

澄み切った空気を濁すようにして広まる焼きちくわの香り。

お土産屋さんが道の両側に立ち並んでいます。

早くも法隆寺への第一関門…。

ポケットの中の小銭。見えるはずのない小銭が、今ははっきりと観えています。

いつの間にか足も止まり、その場に立ち尽くす…。

 

<次に続く:僕の断食体験vol.9~3日目の脱力感~

 

※関連記事

僕の断食体験~プロローグ~

僕の断食体験vol.1~初日~

僕の断食体験vol.2~目覚めの良い朝~

僕の断食体験vol.3~陽性の飲み物「梅醤番茶」~

僕の断食体験vol.4~環境による心への影響~

僕の断食体験vol.5~初めての体験~

僕の断食体験vol.6~持続する集中力~

僕の断食体験vol.7~冷たい水は飲み込めない~

僕の断食体験vol.10~心と身体はどちらが強い?~

僕の断食体験vol.11~ついに脾気虚・肺気虚になる~


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執筆者 伏見 浩幸
漢方薬の持つ力の素晴らしさとともに、人間の持っている力もすごいなぁと日々感じています。漢方薬だけではなく、私たち自身も相談員としてお客様の「薬」なることはもちろん、今、色々なご病気で悩まれている方々も、授かった命と一緒に当然備わっている自分自身の自然治癒力に自信を持ち、自分自身が「薬」になるお手伝いができればと考えています。そんな願いを込めて一話一話を綴らせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
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