日本の国菌「麹菌」の素晴らしさ

2017年4月24日

マクロビオティック

日本の国菌「麹菌」の素晴らしさ

海外と日本の発酵食品の違い

少し前に塩麹が大ブームになり、塩麹やそれを用いた料理を作ってみたという方も多いのではないでしょうか?
しかし意外と麹そのものについてはあまり知らないという方のために、今日は麹について詳しく調べてみました。
最近「発酵食品」が大人気となっていますが、その中心は乳酸菌です。ヨーグルトや乳酸菌の飲料の需要の多さを見れば、その人気の程がうかがえます。
日本の発酵食品の特徴は「麹」を用いたものが圧倒的に多く、麹とは蒸した米・麦・大豆などの穀物に麹菌という微生物を繁殖させたものをいいます。麹菌によって作られたものについては「発酵」ではなく「醸造」という言葉を用います。

味噌、醤油、酒、焼酎、酢、みりん、甘酒、粕漬けなど、さまざまな伝統発酵食品があります。

麹は日本独自の発酵文化

日本は世界一の醸造文化を持っているのですが、麹菌は日本でしか生育できないということをご存じでしょうか。

麹菌は「日本麹カビ」(アスペルギルス・オリゼー)と呼ばれ、日本の高温多湿の風土に適した日本独特の菌で、日本にしかなかった有用な微生物です。
カビ菌類を食品加工に利用する国は、日本以外には中国や韓国、東南アジア地方だけで、なかでも麹菌を使った発酵文化は日本独自のものです。アメリカやヨーロッパ諸国ではカビの代わりに麦芽や乳酸菌を利用した発酵食品が中心です。

糖質の多い日本食に欠かせない麹

麹の働きの第一はその糖化作用です。でんぷん質を糖化して糖分(ブドウ糖)に分解するのがアミラーゼ酵素ですが、この酵素を持つ微生物は麹菌以外にはありません。
炊きあがったご飯(おかゆ)に麹と水を入れ、温めながら一晩おくと甘酒ができあがるように麹は一晩で糖化する強力なパワーを持っています。
麹によって作りだされた醸造食品は糖質の多い日本人の食事にはなくてはならないものといってもよいでしょう。
また麹にはアミラーゼの他にタンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ、脂肪を分解するリパーゼなど三大消化酵素と呼ばれる酵素を豊富に含んでます。さらに、麹には食物繊維を分解し、オリゴ糖を作り出すセルラーゼという酵素があるので、玄米や雑穀を食べるときの強い味方にもなります。

しかも他の有用微生物を損なうことなく共存する能力も備えています。
糖化が終われば乳酸菌が登場してPH値を下げ、悪玉菌が発生しない環境を作り、引き続き酵母菌がやってくるとアルコール発酵が進んでお酒になり、最後は酢酸菌の出番で、酢酸発酵によってお酢ができるというように、複数の微生物が共に働き並行複発酵する調和の菌が麹なのです。

麹と酵素の関係

これだけバラエティー豊かな醸造食品を作り出した立役者が麹なのですが、実は麹が作り出す酵素が人体にとても有効であることが分かってきました。
酵素とは1つの化学反応を起こすことができるタンパク質ですが、それを麹は100種類以上も含みます。麹の次に酵素が多いのが納豆ですが、それでも50くらいです。
体内にある生体酵素の数は3,000種とも5,000種とも言われていますが、その用途の80%は消化酵素で、残りの20%が解毒や再生、修復を行う代謝酵素です。体内では消化酵素優先の法則があって、食べ過ぎたりすると消化に酵素が回ってしまい、代謝酵素が足りなくなるということが起こります。これが老化の原因となるとも指摘されています。
この時に、麹から作られた味噌や醤油、酢、甘酒、漬物といった醸造食品を食べることで酵素が補われ、消化吸収が良くなるだけでなく、老化防止をもたらしてくれるわけです。

麹菌に含まれるコウジ酸

最近、麹菌に含まれるコウジ酸が注目されており、重金属を体外に排泄するキレート作用や、お肌のシミの原料であるメラニン色素の生成を抑える美肌作用があることがわかっています。
また、腸内のトリプトファンとビタミンB6を材料にしてセロトニンを合成するのもコウジ酸です。セロトニンは抗ストレスホルモンとか幸せホルモンとも呼ばれていて、精神的な疾患を抱える人にとってとても頼りになる成分です。
麹も最近はいろいろな製法のものがありますが、昔ながらの麹屋さんや味噌屋さんで手に入るものがよいようです。
ぜひ、日本の環境・風土が作りだした麹のパワーの入っている本物の味噌、醤油、酒、焼酎、酢、みりん、甘酒、粕漬けなど、発酵食品を日々の食生活に活用してください。


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執筆者 漢方みず堂
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