芒硝(ぼうしょう)

2017年6月23日

生薬

芒硝(ぼうしょう)

芒硝とは

漢方で使われる生薬には、植物性、鉱物性、菌由来、動物性のものがあります。

芒硝は、鉱物性生薬の一つで、天然の含水硫酸マグネシウムや含水硫酸ナトリウムのことです。奈良の正倉院所蔵の芒硝は硫酸マグネシウムを主成分としていることがわかり、古来の芒硝は硫酸マグネシウムのことのようです。

性質は大黄と似ており、

寒:体の熱を冷ます。

瀉:滞りを解消し、過剰に溜まった物を排出させる。

降:滞っている物を下向きに動かす。

となっています。

芒硝を使った漢方

芒硝が含まれる漢方には大承気湯、調胃承気湯、通導散などがあります。

これらの漢方は、体に熱がこもっていて、不要なものが過剰になってしまっている方に適しています。

神農本草経という古い書物には、「胃が張って、腸への道が塞がり、腹に溜まり結ばれた飲食物を洗い流すこと、即ち腹の中の掃除をする」と書いてあります。

このように芒硝を含んだ漢方は便秘で使われますが、胃~下腹部が張って痛むような便秘、便が硬い便秘に使われます。

また、あまり馴染みはありませんが、炎症を取り腫れを治す作用があるため、目の充血や腫脹・疼痛時に点眼したり、化膿性の皮膚炎や痔核・口内炎などに外洗して利用されます。これは、考えてみると生理食塩水で傷を洗ったり、目を洗ったりするのと同じ原理ですね!

西洋薬にも、芒硝に酷似した薬があります

それが酸化マグネシウムです。ドラッグストアでも購入できますし、便秘時は病院からの処方頻度が高く馴染みの深い薬の一つだと思います。

ただし性質も芒硝と似ていると考えられるため、比較的元気で症状が強い方が使用した方がいい薬ともいえます。

ですので、胃弱の方の便秘(気虚便秘)はかえって胃腸を冷やしてしまい、胃腸機能の低下により便秘が悪化してしまう可能性も考えられます。「便秘薬飲んでいるのに良くならない」や「効果が出すぎた」などと感じられる方がいるのは、こういった要因もあるかもしれません。

また、これからの季節、脱水症状による便秘も増えてきます。そんな時に酸化マグネシウムを飲むと、浸透圧の関係で体から腸菅内に水分を移行しようとするので、より体は脱水症状になるので危険です。

昨今、病院にかかる前に自分で薬を購入して健康を守る、「セルフメディケーション」が進んでいます。漢方はもちろんのことですが、その他の市販薬でもご自身の体質に合ったお薬を選んで飲んでいただきたいと思います。

 

漢方みず堂博多マルイ店 河郷 誠

 


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