僕の断食体験vol.14~命とは、生とは、死とは~

2017年8月15日

マクロビオティック

僕の断食体験vol.14~命とは、生とは、死とは~

命の輪廻

5日目朝10時の味噌汁をありがたくいただき、運動量を増やしてもいいというアドバイスに従い、山道へ歩をすすめました。

これまでの石畳や石の階段ではなく、土の道を一歩一歩踏み進めていきます。

土ってこんなにフカフカだったんだと思えるくらい柔らかい山の道。

毎年、沢山の落ち葉が降り続き、微生物に分解されて、土に帰る・・・。

そして土の栄養となり、その周辺の草や木の栄養になり、木や草の一部になり、また落ち葉や枯れ草になって土に帰る…。

一つの命は無数の命の元を集約したもので、またその命も無数の次の命の元となって自然の中を満たしている。

自然は無数の命の流れによって隈なく満たされている。そう感じます。

私自身もこの山の木や草がつくってくれた酸素や吸って生きていますし、私の吐き出した二酸化炭素を木や草は栄養にして生きています。

他にも、私の短い髪の毛も知らず知らず頭皮から抜け落ち、この山に落ちて土の栄養になってもいる。非常に微々たるものですが・・・。

またもし、ここで熊にでも襲われて息絶えたとしても、その他多くの命の元となって、命の一部になっていき、自然の中を満たしていく。

「死」と「生」

そう考えると、死への恐怖も少し薄らいでいくような感じもします。死ぬという意味も捉えなおす必要があるかもしれません。

山に入ると本当に多種多様な命があり、多くの生き物の生き死にを目の当たりにします。

それが自然では当たり前のことであり、どの命も懸命に生きているように見えます。

形は違えど、それぞれの役割というか使命を全うしようと生きているのか、命を輝かせているようにみえます。

改めて「生きる」ということも考え直さなければならないとも感じます。

人間らしく命を輝かせてこそ、本当の意味で、自然体で生き、自然体で死ぬということなのかもしれません。

そういう事を考えていると不思議な感覚を覚えます。

山を満たす命の流れというかエネルギーを全身で受け、また吸収し、私からも渡しながら、山と調和しているような・・・。私自身も自然なんだと実感できます。

あっさりと約束を破る・・・

入山して5分ほど経ち、周りは360度が背の高い木に囲まれて、すでに太陽の位置を把握する事はできなくなりました。

あっさりと3つの約束(怪我をしないこと、動物に襲われないこと、太陽を見失わないこと)の内の1つが破られてしまいましたが、今の所は1本道なので、迷子の心配はないようです。

少しアップダウンが激しくなり、道にも木の根が浮き出てきてワイルドさが増していきます。

熊や猪や鹿に鉢合わせになることは、恐らくないだろうと思いつつも、微妙に万が一のことを考え始めている自分に気がつきます。

こう襲われたら、こうやってかわして、こうやって反撃をしようなどと、やったこともない動きを想像の中の自分はいとも簡単にやってのけます。

あまり負けるイメージが出てこなかったことは、自分はつくづくプラス思考なのだと思う一方で、これは完全に遭難するタイプだとハッと気づきます。

慎重に、慎重に。

命は有限。ここは知らない山の中。自分は山の初心者。人間界でも飛びぬけて運動神経も頭脳も良くはない。断食中でスタミナはあまりない。方向音痴。最近年のせいか傷の治りが遅い。

現実に戻り、改めて五感が研ぎ澄まされてきます。改めて、生きて戻るということだけに集中し無心で歩みを進めていきます。

生きて帰れたよろこび

どれくらい時間が経過したでしょうか。急にパッと視界が開けました。車道です。

車道に出てみると、目に見える距離に見慣れたお寺を眺めることができてホっと一安心。

同時に急に疲労感がでてきました。

生きて帰る為といえば大袈裟ですが、五感と同時に体をフルに使うことに慣れていないせいだと思います。いかに動物的な感覚が衰えているかを痛感します。

ここから引き返す気分にはなれず、少し遠回りをしてでも帰ることを決め、早足で歩きなれたアスファルトの歩道を歩きます。

無事道場に着いたのは、ちょうど16時前。

タイミングよく出された椎茸と昆布の葛ペーストをいただき、生きていて帰れてよかったとしみじみ実感。

生きているということも、決して当たり前ではなく、食事ができることも当たり前ではない。

大袈裟のようで、でもこれが現実。

道場にきてから数日間。ここでは多くの現実を実感できます。

この感覚は大切にしたいと思います。

お風呂に入った後は、強い眠気に襲われてそのまま就寝。

5日目はこれまでで一番ぐっすり眠りにつくことができたと思います。

 

<次に続く>

 

※関連記事

僕の断食体験~プロローグ~

僕の断食体験vol.1~初日~

僕の断食体験vol.2~目覚めの良い朝~

僕の断食体験vol.3~陽性の飲み物「梅醤番茶」~

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僕の断食体験vol.10~心と身体はどちらが強い?~

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僕の断食体験vol.12~癌(ガン)と正食~

僕の断食体験vol.13~力みなぎってきた5日目~


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執筆者 伏見 浩幸
漢方薬の持つ力の素晴らしさとともに、人間の持っている力もすごいなぁと日々感じています。漢方薬だけではなく、私たち自身も相談員としてお客様の「薬」なることはもちろん、今、色々なご病気で悩まれている方々も、授かった命と一緒に当然備わっている自分自身の自然治癒力に自信を持ち、自分自身が「薬」になるお手伝いができればと考えています。そんな願いを込めて一話一話を綴らせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
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