僕の断食体験vol.18~6日ぶりの食事~

2018年4月16日

マクロビオティック

僕の断食体験vol.18~6日ぶりの食事~

目の前の、おもゆ、梅干し。

6日ぶりの食事です。箸を両手で持ち、しばらくの間は手をつけられませんでした。

改めて、食べ物とは何かを感じていました。目の前の玄米の一粒一粒に命が一つずつ。梅干も同様です。

それらが、どれだけの月日を経て、育ち、どれだけの人の手間をかけて、目の前にあるのか。

料理とは何か。たくさんの命がたくさんの命によって集められ手を加えられ、たくさんの思いも乗せられているものかもしれません。

それが、一つの命(僕)の素になる。僕自身もいつかは、たくさんの命の素になる身です。いえ、すでに僕から生まれた二酸化炭素は植物の命を養い、植物から生まれた酸素は僕の命を養い続けている。また僕から剥がれ落ちた角質や皮脂は、ゴキブリの命を養っているというとことも現実です。そのゴキブリもまた沢山の命の素を生み出しながら生きている。

そのような命の凝縮と発散を通じて、世の中を循環しているということがわかります。

そういう思いになって箸を持つ手がやっと動きました。

感動的な体験

おもゆを一口入れて、命を感じながら噛むと、たくさんの命の素が僕の中に入っていく事を感じられるような気になります。

食欲が満たされるのではなく、自分の命が満たされていく。

梅肉をほぐしながら、この梅肉も空気中や土からのたくさんの命の素からつくられた命の凝縮でもあること。

何とも不思議な感覚です。

食べるという行為も見方によってはとても神聖なことのようにも思えます。

しかし、これは決して妄想などではなく、極めて現実的なものの見方でもあります。そういう現実が普段は観えていないのだと気づかされます。

一口一口を自覚しながら、噛み、飲み込む。そして命が入っていくことも自覚する。

自然におもゆ一口で、40~50回は噛んでいたと思います。よく噛んで食べるのではなく、自然によく噛むような食べ方をすることが、正しいのかもしれません。

おもゆと梅干一つを30分ほどかけて丁寧に食べることができました。そのこと自体にも心の奥底から喜びが湧いてくるようでした。このような食事の仕方はこれまでしたことがなく、新鮮で、とても感動的な体験でした。

世界が変わった

食事を終えて数分間、命の素が僕の命と一体になっていくその時間に浸りました。

さて、ゆっくりと立ち上がり、お盆を炊事場まで運びます。

この感動を伝えたかったのですが、いつもの女性はどこかへ行かれていたようで、薄暗く静まりかえっていました。

食器を載せたお盆を置き、ふと、この食器やお盆も命の塊なんだなぁと感じました。そうすると、この道場もそうですし、身の回りのものは全て、そういうもので満たされていることにハッとしました。

これは何かすごいことだぞ。

色々な感情が入り混じり、心がざわついているのを自覚しました。妙に気持ちが落ち着かなくなり、一旦部屋に戻りました。

たくさんの命にすでに囲まれていたことを実感して、自分以外の全てのものが、急に迫ってくるような感覚に、少し動揺したのだと思います。一瞬世界が変わったかのような衝撃でした。

横になり、目を閉じて、感じることができるものを一つ一つ丁寧に感じていると少しずつ心が落ち着いてきました。

命はすべて繋がっている。一人のようで、常に一緒にいる。ある意味、いつも見られている??これが、古来の日本人が言っていた八百万(やおよろず)の神!?

色々と想像が膨らませられるほどの余裕もできたので、部屋を出て食事をしていた広間に戻ります。お盆は片付けたけれど、座布団とテーブルを片付けずにそのままにしていたことを思い出しました。

ここにきて新たな登場人物

広間に近づくと、いつもと違う雰囲気を感じました。消したはずの電気がついており、テレビの音がもれ聞こえてきます。久々に聞く日常的なテレビの音がとても懐かしく感じます。

誰かいるようだけれど、誰だろう?

老人、中年男性、道場長、食事や体操の世話をする女性・・・これまでの登場人物に、テレビを見るような人物は思い当たりません。もしかすると、新人!?引き戸だけれど、ノックはすべきか!?

一瞬迷った挙句、旅の恥はかき捨てだと思い、ノックをして引き戸を開けると、そこにいたのは見慣れぬ女性でした。

年齢は、おそらく25歳くらい。上下スウェット、座布団を2枚ひき、その上に片肘をついて横になってテレビを観賞中でした。

明らかに、先輩・・・・。。

 

<次に続く:僕の断食体験vol.19~何の為に食べるのか?~

 

※関連記事

僕の断食体験~プロローグ~

僕の断食体験vol.1~初日~

僕の断食体験vol.2~目覚めの良い朝~

僕の断食体験vol.3~陽性の飲み物「梅醤番茶」~

僕の断食体験vol.4~環境による心への影響~

僕の断食体験vol.5~初めての体験~

僕の断食体験vol.6~持続する集中力~

僕の断食体験vol.7~冷たい水は飲み込めない~

僕の断食体験vol.8~ちくわの誘惑~

僕の断食体験vol.9~3日目の脱力感~

僕の断食体験vol.10~心と身体はどちらが強い?~

僕の断食体験vol.11~ついに脾気虚・肺気虚になる~

僕の断食体験vol.12~癌(ガン)と正食~

僕の断食体験vol.13~力みなぎってきた5日目~

僕の断食体験vol.14~命とは、生とは、死とは~

僕の断食体験vol.15~人生で一番痩せた日~

僕の断食体験vol.16~僕は断食によって何を得たのか?~

僕の断食体験vol.17~世界の長寿の人に学ぶ生きる秘訣~

僕の断食体験Vol.20~今、を五感で味わう~


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執筆者 伏見 浩幸
漢方薬の持つ力の素晴らしさとともに、人間の持っている力もすごいなぁと日々感じています。漢方薬だけではなく、私たち自身も相談員としてお客様の「薬」なることはもちろん、今、色々なご病気で悩まれている方々も、授かった命と一緒に当然備わっている自分自身の自然治癒力に自信を持ち、自分自身が「薬」になるお手伝いができればと考えています。そんな願いを込めて一話一話を綴らせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
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