川芎(せんきゅう)

2018年5月23日

生薬

川芎(せんきゅう)

川芎は、セリ科センキュウの根茎を、湯通しして乾燥させたものです。セリ科だけあって、香り高く、セロリのような香りがします。

補血の基本処方である「四物湯(しもつとう)」に含まれる生薬の一つです。四物湯に含まれる他の3つの生薬、当帰・芍薬・地黄が血を補う作用が主に対して、川芎は血を巡らせる作用が主であり、他の3つの生薬が身体の隅々まで行き渡るために大変重要な役割を担っています。

「血」は、体を形作るもので、肌や筋肉、髪、目など、全ての細胞を養うものです。

特に女性にとっては、体のベースとなるのは「血」であり、その状態は体調に大きく影響します。

そんな「血」に作用する川芎は、肌のお悩みや女性の不調に使われる漢方薬など、とても重宝されています。

■効能

○活血行気 ~気・血を巡らす~

気血の滞りは、ストレスなど「気」がきっかけとなって起こることも、冷え・どろどろ血など「血」からのこともあります。「気」は「血」をコントロールし、「血」は「気」を養う、相補的な関係性。

川芎は、「血」の巡りを良くしながら同時に「気」も流すことで、効率よく全身へと巡らせます。

生理周期、生理痛、肌荒れ、妊娠中、産後、更年期など、気血の巡りが影響する女性の体調変化には、欠かせないものです。

 

○去風止痛 ~痛み・しびれ・痙攣を鎮める~

川芎は、痛みの元となる気血の滞りを緩和します。その他にも、温めて発散する性質から、風邪(ふうじゃ)による痛み・しびれ等にも良いです。風邪によるものは、首元がゾクゾクする時や、寒さ・冷たい湿気にさらされた時に悪化する症状です。

風邪からの頭痛、顔面痛、歯痛、自律神経の乱れによる偏頭痛、打撲痛、関節痛など、他の生薬との組み合わせによって幅広い痛みに使われます。

■川芎を含む漢方薬

○婦人科系でよく使う漢方薬

温清飲、当帰芍薬散、十全大補湯、温経湯、折衝飲、連珠飲、当帰散、芎帰膠艾湯、芎帰調血飲、加味逍遥散合四物湯、女神散など

○肌トラブルによく使う漢方薬

荊芥連翹湯、柴胡清肝湯、清上防風湯、十味敗毒湯、当帰飲子、治頭瘡一方など

○痛みによく使う漢方薬

治打撲一方、川芎茶調散、疎経活血湯、清上蠲痛湯など

○その他

鼻づまりに葛根湯加川芎辛夷、声枯れに響声破笛丸など


執筆者 児島 諒子の画像

執筆者 児島 諒子
漢方みず堂 漢方専門相談員

一時的にではなく、体質からの改善につながる漢方に魅力を感じ、大学生で初めての就活をしている中で出会ったのが、漢方みず堂。
漢方は勉強するほど、奥深くておもしろいです。
今の身体の状態をつくっている心の持ち方、食事、運動、休息など様々なことに目を向けながら、漢方の力を生かして心地よい体づくりをお手伝いできればと思います。
  • 最寄の店舗を探す
  • テレビ電話相談

同じカテゴリーの記事を読む

漢方ノートについて

「漢方ノート」は株式会社漢方みず堂が運営する情報サイトです。漢方や病気、生薬の知識や現場で活躍する漢方専門薬剤師の生の声を日々発信しています。
漢方に興味がある方から医療従事者まで幅広く活用して頂けるサイトです。

弁証論治による漢方方剤選定の手引き

漢方薬剤師募集


  • 最寄の店舗を探す
  • テレビ電話相談
<運営会社情報>
漢方ノートは
株式会社みず堂が運営しています。