子供のチックに抑肝散加陳皮半夏を飲ませてみた

2018年7月6日

子供の漢方

子供のチックに抑肝散加陳皮半夏を飲ませてみた

始まりは小学3年生の春休み

我が家の長男が3年生になろうとする春休み、首をかしげるチックが始まりました。

初めは、ゲームをしている時に頻繁にするので、ゲームのしすぎで首が凝っているのか??と思い、「ゲームやめなさい!ほら!首が疲れとうやないね!」と叱っていたのですが、どうやら、そうでもないみたい??

背は高め、体格は細め、大変活発。性格はとても温厚、あまり怒ったりイライラすることはなく、3人の子供の中では最も手がかからず、子供の悩みと言えば専ら長女・・・という感じで、一般的にチックが出やすいといわれるようなタイプではないので、大変戸惑いました。

チックの場合、あまり周囲がとやかく言わないほうがいいので、騒ぎ出した両親にも言わないように釘を刺し、私も知らんぷりをするように心がけました。それでも、やはり親としては非常に気になる・・・・

ある日、「何で俺のことそんなに見とうと?」と言われ、ハッ!!!どうしても見てしまっていたようです・・・・

親の知らないストレスがあるのか??色々ガミガミ言い過ぎなのか?そんなことを悶々と考えてしまいました。

チック症について

チックにも色々あり、発症する時期も色々あるようです。なぜか、男の子に多く、6~7歳で発症することが多く、ほとんどの場合が一過性のようです。

症状も、よくある瞬きや首のひねりといった運動性チックの他、吃音(どもり)や鼻をならしたりする音声チックなど様々なようです。また、色々な症状が入れ替わり立ち代りということも。実際、我が家の長男も、首をひねる時期、鼻を鳴らす時期、咳払いをする時期、指をぱきぱき鳴らす時期、など様々現れました。

原因はよく分からないものの、神経質な子に多いこと、ストレスで引き起こされること、などがありますが、息子にはどうもあまり該当しません。何と言っても、始まったのは春休み中。春休みは宿題もなく、朝の10時から18時まで、ずっと外で遊んでいて、ストレスなんてあるはずもない・・・・「あ~今日もいい一日だった~」と言いながら、夜はテレビを見て21時にはぐっすり寝ています。クラス替えなどの環境の変化なども特になく、友達とのトラブルの様子もなく、チック以外何の気になる兆候もなく、なんでだろう?と思っていました。親には分からない、何かがあるのかな・・・よく分からないという状況は本当に心がモヤモヤ・・・悶々としてしまいますね。

そんな中、脳が急激に発達する段階で起こることがあるという情報を見つけ、もしかしたらそうかもしれない・・・と思い当たる節がありました。

1~2年生の頃は低学年ということもあり、可もなく不可もなく・・・という成績だったのが、この頃から急に伸び始めました。ずっと習っていたピアノも、なぜか、このチックが始まってからみるみる上達し、ピアノの先生から「こんな秘めた能力があったんですね」と言われたほど。

脳の発達段階!な~んだ!むしろいいことじゃん!ぐらいに思えると、私自身大して気にならなくなっていきました。

チック症の漢方薬

漢方薬も試してみました。

当初、ゲームのしすぎで首が凝っているのかと思っていたときは柴胡桂枝湯という肩こりなどにも良く使う漢方を飲ませてみましたが、いまいち?

そこで、いよいよチック症だと確信してからは、抑肝散加陳皮半夏という漢方を飲ませました。2週間ぐらい飲むと、症状が落ち着きました!本人も「これを飲むと気分がいい」と言って「漢方ちょうだい!」と言ってきます。ただ、全く無くなるということはありません。

抑肝散は去風剤と言われ、チックの他、まぶたの痙攣や手足の震えなど、筋の異常によく使われます。性格的には癇が強い子供に適しています。穏やかな息子にはどうかな?とも思っていましたが、証が完全に合致せずともいいんだなと学びました。運動性のチックがある場合は、まずは抑肝散を飲んでみるといいと思います。ちなみに胃腸が弱い場合は抑肝散に陳皮と半夏が入った抑肝散加陳皮半夏、緊張が強い場合は抑肝散に芍薬と黄連が入った抑肝散加芍薬黄連があります。体質に合わせて選んでください。

性格的に神経質で運動チックというよりも音声チックが強い場合は、柴胡加竜骨牡蠣湯や柴胡桂枝乾姜湯や桂枝加竜骨牡蠣湯などを飲んでみてもいいと思います。

また、虚弱で腹痛を起こしやすいようなお子さんであれば、小建中湯もいいかもしれません。小建中湯には芍薬・甘草という筋の引きつりを解消するコンビの生薬が入っているので、意外とチックやおねしょなどにも有効なことがあります。

秋と春は酷くなる?

チック症状自体、非常に波があります。1年振り返ってみると、秋と春が酷かった印象です。確かに漢方的には運動チックは「風」の症状のため「風」の吹く「春」は酷くなりやすいと考えられます。酷い時は漢方を飲ませて少し症状を落ち着かせながら、そのうち無くなるといいなと思っていますが、4年生になった今もチック症状が出ています。

周りの友達はあまり気になってないようで、時々「なんで首こんなんすると!?」と聞く子もいますが、「癖よ!」と言うとふ~んとそれで終わり。「違い」を受け止める力は、大人より子供のほうが柔軟なのかもしれませんね。

そのうち良くなるだろうという気持ち半分、もし一生続いても、そんな人もいるよなという気持ち半分で気長に付き合っていこうかなと思っています。

酷い時には漢方を飲ませれば若干緩和されるというのは、親心としてはずいぶん救われています。同じお悩みを持つ親御さんがいらっしゃいましたら、ぜひご参考にしてください。

 


執筆者 福田 茜の画像

執筆者 福田 茜
九州大学薬学部卒 漢方みず堂漢方専門相談員
病院やメーカーを経て、株式会社漢方みず堂へ入社。
3児の母でもあり、妊娠・出産・子育てに関する漢方経験も多数あります。
福岡RKBラジオ「みず堂のなるほど漢方塾」には”優しいあかね先生”として出演しています。
  • 最寄の店舗を探す
  • テレビ電話相談

漢方ノートについて

「漢方ノート」は株式会社漢方みず堂が運営する情報サイトです。漢方や病気、生薬の知識や現場で活躍する漢方専門薬剤師の生の声を日々発信しています。
漢方に興味がある方から医療従事者まで幅広く活用して頂けるサイトです。

弁証論治による漢方方剤選定の手引き

漢方薬剤師募集


  • 最寄の店舗を探す
  • テレビ電話相談
<運営会社情報>
漢方ノートは
株式会社みず堂が運営しています。