柿のヘタと柿蔕湯(していとう)~しゃっくりが止まらない~

2018年7月23日

その他

柿のヘタと柿蔕湯(していとう)~しゃっくりが止まらない~

しゃっくりの原因は「胃気上逆」

西洋医学的に、しゃっくりは腹腔内の臓器に発生した刺激が、迷走神経や横隔膜神経を通して脳中枢に伝達され、反射的に横隔膜の痙攣が起こるのが原因だと考えられています。

飲酒や辛いものなどの刺激によって起こるものあれば、精神的なもの、逆流性食道炎に起因するもの、脳腫瘍や脳梗塞の前触れ・後遺症によるもの、抗がん剤の副作用で起こることもあります。

持続するしゃっくりは、抗痙攣薬や筋弛緩剤などを用いてもなかなか治らないことも多くあります。

 

中医学では、しゃっくりは「胃気上逆」ととらえます。

「胃」は口から取り入れた飲食物(中医学的には水穀といいます)を最初に受け入れるところです。また、水穀を消化しやすいように腐熟させます。腐熟したものを水穀の精微といいますが、それを下(腸)に送るのに必要なのが胃の「気」です。胃の気は下へ流れているのが正常ですが、様々な原因により気が上に流れてしまうのが気逆や上逆です。

胃気上逆が起こると、しゃっくりの他、げっぷや吐き気、嘔吐となって現れることがあります。

その原因としては、胃寒(冷え)、胃熱(炎症・熱)、痰濁中阻(粘っこい水が邪魔してつかえる)、気虚(元気の不足)、陽虚(元気の不足と冷えが合わさったもの)などがありますが、しゃっくりは胃寒によるものが一番多いです。

柿のヘタと柿蔕湯

民間療法でも柿のヘタをしゃっくりによく使います。柿のヘタと氷砂糖を入れ煎じるというものです。

中医学的に見ても、柿のヘタは「柿蔕(してい)」と呼び、しゃっくりの特効薬と言われています。

胃を温め、胃気を降ろします。

柿蔕の他に、胃腸を温める生姜と丁子(グローブ:カレーのスパイスとして用います!)を加えたものが「柿蔕湯」となります。

漢方薬は即効性がないと思われがちですが、柿蔕湯は割とすぐにしゃっくりが止まることが多いです。

また、この漢方に関してはどんな体質の方でも用いることができます。

元々胃の気虚や陽虚、胃寒がある場合は、ベースに「人参湯」、しゃっくりの時だけ柿蔕湯を併用することをおすすめします。

逆流性食道炎と併発している場合は「半夏瀉心湯」、痰濁中阻が原因では「竹筎温胆湯」と併用するとよいでしょう。

 

西洋医学では治すのが難しいといわれる脳梗塞の後遺症によるものや、抗がん剤の副作用によるしゃっくりも、よく効くことがあります。

副作用も西洋薬ほどありませんので、筋弛緩剤や抗痙攣剤などを用いる前に、ぜひ試してみてください!

 

 


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執筆者 田頭 哉子
漢方みず堂漢方専門相談員
漢方に出会って、考え方や人生観がとても良い方向へ変わりました。
病院やメーカーで勤務していたこともあって、西洋医学と中医学の両面から感じることもたくさんあります。
私自身もずっと漢方をのんでおり、その実体験からや(すごく元気になりました!)、お客様との出会いから学んだことなど、少しでも皆さんの健康と幸せのためにお役にたてる情報をお伝えしていきます!
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