アレルギー性鼻炎と漢方

2018年10月18日

アレルギーと漢方

アレルギー性鼻炎と漢方

1.アレルギー性鼻炎とは

アレルギーとは、何らかのアレルゲンに対して、体の防御反応が過剰に働くことを言います。つまり、根本的には免疫機能の異常とも言えます。

その中でも、アレルギー性鼻炎は、何かのアレルゲンに対して、鼻水・くしゃみ・鼻づまりといった症状が出ます。

漢方的にはアレルギー体質は肝心脾肺腎のうち、「肺」系統が弱いと捉えます。気血水では「水毒」を一番の原因と考えます。もちろん、肺や水毒以外も複雑に絡み合っている場合もありますが、基本的には顔色が青白い、ポチャポチャと水が溜まっているタイプが多いです。

>>>水毒の方の例

アレルギーも肥満も水毒!同時に改善!

2.後鼻漏とは

最近増えてきたご相談に後鼻漏があります。鼻水が喉のほうにおりてきて、へばりついて気持ち悪かったり、咳が出たりします。口臭の原因になることもあります。

普通の人でも鼻水は喉におりてきているのですが、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の方は鼻水が粘性をもつため、大変不快になります。鼻炎の方の増加に比例して後鼻漏でお悩みの方が多くなるのは当然のことですね。

子供の咳が続く時に、咳止めではなく鼻水の薬で咳が治まることが多々あります。子供は鼻から喉へ鼻水が流れやすい角度になっているので、後鼻漏になりやすいです。

>>>後鼻漏の方の例

後鼻漏(こうびろう)には体質改善!

3.アレルギー性鼻炎の原因と症状

アレルゲンとなる原因物質は様々ですが、アレルギー性鼻炎を引き起こすアレルゲンとして多いものからあげると、①ハウスダスト②花粉③真菌です。

しかしながら、上記のようなアレルゲンは同じ環境に住んでいる人には平等にふりかかるものなのに、なぜアレルギー症状を起こす人と起こさない人がいるのか??昔は平気だったのに、大人になって突然アレルギー症状が出たりするのか??と思いませんか?

やはり、アレルギーは体の内側の問題です。漢方では「内因」と呼びますが、体の中の環境が整っていないとちょっとした外からの刺激でアレルギーが出たり、風邪を引くのです。どんなにアレルゲンを排除しても、内因をどうにかしない限り、また新たなアレルギーを引き起こすのです。実際にアレルギーマーチと言われるアレルギーの連鎖は多くの人が経験していることです。

>>>様々なアレルギーがある方の例

病院の薬激減!9歳の鼻炎・喘息・アトピー

治らないと言われたアトピー、鼻炎、喘息が奇跡の改善

4.通年性の鼻炎(血管運動性鼻炎)との違い

血管運動性鼻炎の症状はアレルギー性鼻炎とよく似ていますがアレルギーではなく、特定のアレルゲンもありません。

アレルギー性鼻炎の方が、いつのまにか年中鼻炎になったりしますが、最初はアレルゲンに反応して症状が出ていたのが慢性化し、鼻の粘膜が弱くなり、通年鼻炎になってしまいます。

点鼻薬を乱用したり、アレルギー薬を長期的に使用することでも鼻の粘膜は弱くなってしまいます。

>>>花粉症から慢性副鼻腔炎になった方の例

レーザー治療後も繰り返す副鼻腔炎

>>>西洋薬の使用についての漢方的見解

花粉・黄砂・PM2.5は“渇く”と侵入してくる

5.アレルギー性鼻炎と漢方

アレルギー性鼻炎に関わらず、漢方の場合は「証」と言って、体質に合ったものを服用することが大切です。

大きく分けると、熱/寒(熱症状または熱がこもっている/冷えが関係している)、体力がある/ない、によって使用する漢方薬は全く違い、ここを捉え間違えると効果がないどころか、体に悪影響が出ることもあります。

>>>証を見分ける重要性が分かる例

#漢方飲んでみた#くしゃみでなかった#鼻水減った#40年来の鼻炎

 

アレルギー性鼻炎の場合、症状を取るものと、根本的な体質改善をするものがあり、代表的な「小青竜湯」は症状を取る漢方薬です。ですから、症状が緩和されはするものの、再びアレルゲンに触れると症状が出ます。

つまり、根本的な体質改善をコツコツとしながら、症状が出た時には症状を取る漢方薬で対処するというのが、正しい体質改善の方法です。中には、症状をとりながら、体質改善にもなる漢方薬もあります。(6.おすすめの漢方薬の※が該当)

>>>症状を取りながら、体質改善の漢方を飲んだ方の例

虚弱体質のアレルギー性鼻炎

 

最初にアレルギーは漢方では「水毒」とご説明しました。漢方で水の代謝に関わるのは「脾」「肺」「腎」の3つです。

なぜ水毒が起こっているのか?は脾肺腎のどこに問題があるのか?を突き止める必要があります。また、この3つが複数関係していることもあります。

【脾が関係する水毒】

■胃腸が弱い ■水分を取るとお腹がポチャポチャいう ■むくみ

アレルギーの方で最も多いのはこのタイプ。子供のアレルギーのほとんどは、胃腸が関係しています。

胃腸の働きが不十分または水分の取りすぎで、水が溜まってしまうタイプです。

>>>脾が関係するアレルギーの例

胃腸を整えると副鼻腔炎も治った!~11歳男子の体質改善~

1か月で箱ティッシュとさよなら!小6男児の副鼻腔炎」(脾と肺が関係している例)

【肺が関係する水毒】

■顔色が青白い ■喘息 ■未熟児で産まれた ■便秘

いわゆる、アレルギー体質は「肺」が生まれながらに弱い場合があります。

>>>肺が関係するアレルギーの例

家族全員蓄膿症。遺伝は体質改善できる?

1か月で箱ティッシュとさよなら!小6男児の副鼻腔炎」(脾と肺が関係している例)

【腎が関係する水毒】

■冷え性 ■温まると症状が改善する ■足のむくみ

体の余分な水分は最終的には尿として排泄する必要があります。冬場に症状が悪化したり、年齢と共にアレルギー症状が出るようになった場合は根本的には腎を強くしていきます。

>>>腎が関係するアレルギーの例(冬場悪化)

私のアレルギー体験

6.アレルギー性鼻炎と食事

人は食べ物のおばけという本がありますが、体は自分が食べたものでできています。当然、食べたものの影響を存分に受けます。

アレルギーは水毒ですので、水分の取り方はとても重要です。水分を控えるだけで症状が緩和される人も多いです。

お小水の回数が5~6回以上であれば水分を控えましょう。特にコーヒーやコーラ、緑茶などは体を冷やす性質もあるため控えたい飲み物です。

体を冷やすと水が溜まりやすくなります。というのも、余分な水を外に出す働きの腎・膀胱系は冷えると働きが鈍くなります。漢方的に、白砂糖は陰性の強い食べ物なので、体を冷やす性質があります。

>>>体を冷やす原因を排除することで症状が劇的に改善した例

アレルギーと砂糖の深い関係

 

特にお子さんのアレルギーの場合、以下の5つのことをまずは試してみてください。

①水分を控える

②甘いものを控える

③食事中にお茶はあげない

④生ものは控える

⑤朝食に体を温めるものを取り入れる

>>>詳しくはこちらをご覧ください

子供の花粉症は薬を使わないで治す!

7.おすすめの漢方薬

【症状を取る代表的漢方薬】

小青竜湯

・小青竜湯加石膏

・苓甘姜味辛夏仁湯※
・麻黄附子細辛湯
・葛根湯加辛夷川芎
・辛夷清肺湯※

・荊芥連翹湯※

【体質改善の代表的漢方薬】

・五積散※

・苓桂朮甘湯

・連珠飲
・六君子湯
・当帰芍薬散
八味地黄丸
・黄耆建中湯

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

8.妊娠中のアレルギー性鼻炎

漢方薬と言えども、妊娠中に使用できるものは限られます。詳しくは>>>妊娠中の花粉症に小青竜湯はダメ!

ただし、妊娠後期にもなれば、小青竜湯を数日飲むぐらいは全く問題ありません。

妊娠するとどうしても気血水の巡りが悪くなります。つまり水毒も起こりやすくなります。妊娠中は基本的には当帰芍薬散を飲みながら、アレルギー症状が出た時は苓甘姜味辛夏仁湯を飲むといいでしょう。

 


執筆者 福田 茜の画像

執筆者 福田 茜
九州大学薬学部卒 漢方みず堂漢方専門相談員
病院やメーカーを経て、株式会社漢方みず堂へ入社。
3児の母でもあり、妊娠・出産・子育てに関する漢方経験も多数あります。
  • 最寄の店舗を探す
  • テレビ電話相談

漢方ノートについて

「漢方ノート」は株式会社漢方みず堂が運営する情報サイトです。漢方や病気、生薬の知識や現場で活躍する漢方専門薬剤師の生の声を日々発信しています。
漢方に興味がある方から医療従事者まで幅広く活用して頂けるサイトです。

弁証論治による漢方方剤選定の手引き

漢方薬剤師募集


  • 最寄の店舗を探す
  • テレビ電話相談
<運営会社情報>
漢方ノートは
株式会社漢方みず堂が運営しています。