貧血だけど痩せたい!~ついでに4cm以上の卵巣嚢腫が消えた例~

2018年10月31日

漢方ダイエット

貧血だけど痩せたい!~ついでに4cm以上の卵巣嚢腫が消えた例~

貧血でもダイエットできる??

ダイエットをしたいと相談に来られた50代の女性。見るからに血の気が少なく、白さが際立つ顔色でした。お悩みを伺うと、ダイエットはもちろんですが、他にも、貧血、むくみ、血圧が高いことも気になっていらっしゃるとのこと。この直近での貧血の数値はHbが10.6と標準(12~15mg/dL)よりも低い値。一般的にふらつきやだるさなどの症状が現れてくる低さです。実際、ふらふらする感じがあり、鉄剤を服用することもあるようでした。

貧血の場合、本人にとってはしんどさが普通になってしまい日常生活に大きな支障は出ないものの、健康な人が難なく歩ける距離や動作も、重だるさや疲労感の中で行っているものです。

いわゆる栄養不足の状態、それでも体重は増える。この重い体を何とかできないかと、漢方ダイエットへの挑戦でした。

 

ダイエットといえば、過剰なものを“瀉す”“流す”働きがあるものを使う事が一般的ですが、この方は、貧血という“不足”の状態。不足しているものは補いながら、過剰なものは除いていく、両面の作用がある漢方で慎重にダイエットをスタートしました。

ダイエットの一般常識は本当??

ダイエットの基本として、共通認識である以下の法則。

摂取カロリー < 消費カロリー であれば、痩せる

摂取カロリー > 消費カロリー であれば、太る

実際のところ、どうでしょうか?

それほど食べてなくても太る、逆に、しっかり食べて運動ゼロでも太れない、という声も多いものです。流行りの炭水化物抜きのダイエットでは、糖質以外なら沢山食べてもOK!と肉食など明らかにカロリーは増えているのに痩せるようです。(健康に良いかは別問題ですが…)

もちろん摂取・消費カロリーを全く無視してはいけませんが、カロリーだけでは説明できないという実感がある方も多いと思います。食べたものを、体がどの程度吸収し、循環させ、利用し、排泄できているか、という体の機能の面からの要因も忘れてはいけません。

ダイエットを漢方で考えると

~体の構成要素“気血水”から分類~

漢方では体をつくる要素は3つ、気・血・水です。太るという事は、この中のいずれかが過剰に溜まっているということです。そのどれが一番の影響力を持つかによって分類すると、太り、太り、太りの3タイプに分けられます。

○気太り「気滞」・・・ストレス太り、不規則な生活リズム、過食気味

→ 気の巡りを整える「理気」の漢方(詳しくは「気の巡りを改善して痩せやすくする~ストレスや不規則な生活~」)

○血太り「瘀血」・・・肩こり、足先の冷え、生理痛、血塊、しみ多い

→ 血をさらさら流す「活血」の漢方(詳しくは「血の巡りを改善して痩せやすくする~美食家や生理トラブル~」)

○水太り「痰湿」・・・むくみ、鼻炎持ち、蕁麻疹出やすい、舌苔多い

→ 過剰な水を除く「利水」の漢方(詳しくは「水の巡りを改善して痩せやすくする~日本人に多い下半身太り~」)

~体内機能“臓腑”から分類~

さらに詳しく見ると、気血水のバランス維持は、臓腑が役割分担しています。気/血/水を溜め過ぎてしまった原因は、そのコントロールを担う臓腑が失調していることにあります。

 

○肝気鬱結・・・“肝”の働きが弱ると「気滞」を生じ、代謝が乱れる。さらに気滞は「瘀血」を生む。また、気滞は胃熱を帯びさせ、過食の要因にも。

→「疏肝理気」の漢方(実例はこちら「働くママのストレス太り」)

○脾胃虚弱・・・食べ物や水分を消化・排泄する力が弱く、その能力を超える量の飲食物は「痰湿」となって溜まる。食後眠い、むくみやすい、胃もたれ。

→「健脾利湿」の漢方(実例はこちら「虚証タイプの漢方ダイエットで10㎏減!」)

○湿熱・・・甘い物、油っこい物の食べ過ぎは「痰湿」の素。体の中はどろどろ淀んできます。いづれ熱を帯びて「湿熱」にかわり、“脾胃”や“肝胆”にしつこく停滞するように。「瘀血」も招く。口の粘り、口臭、脂肪肝、脂性肌、高血圧につながる

→「清熱利湿」の漢方(実例はこちら「男性は体重が落ちるのが早い!1か月半で-9.6kg!」)

○腎虚・・・水分代謝・排泄に関わる“腎”が弱ると「湿」がたまりやすくなる。腎虚の要因は、生まれつき虚弱、大病後、ステロイド長期使用、高齢など。下半身が冷えやすく、むくむ、腰痛、足が重だるい、夜間尿。

→「補腎・利水」の漢方(実例はこちら「4ヶ月で-10kg、腰やひざの痛みが和らいだ!」)

 

主な要因は以上ですが、元々の臓腑の働きが充分しっかりしていても、自分の体質を無視して暴飲暴食を続ければ「食積」が臓腑を傷めます。また、ダイエットに限らず、現代社会ではびこっている生活習慣病は、基本的に“摂り過ぎ”によるものです。オフィスワークなど、あまり体を使わない人が3食しっかり食べ、遅くまで飲み食いしたり、習慣的に甘いスイーツを食べたりすれば、まだ太っていなくても何かが滞り始めているかもしれません。自分の生活スタイルに合う食事の摂り方を、知っておくことは大切です!

経過

この方は、「脾胃虚弱」から「痰湿」が溜まりやすく、「血」を作る力が弱い状態。さらに、その痰湿が重荷となり巡りを妨げる為に「瘀血」も起こっていました。そこで、“脾胃”を強くして、過剰な「湿」を除きながら「血」を作り、巡りを助けていく漢方を飲んで頂きました。

 1ヶ月後 66kgスタートから体重変化はゆっくり進み2kg程の減少。それ以上に、むくみが取れたことで体感はすっきり!

 2ヶ月後 ふらふら感はまだある。見た感じの顔色もやはり白い。検査で4.6cmの卵巣嚢腫が見つかった…。経過観察と言われたが、不安で頭から離れない。

・・・◆卵巣嚢腫は「瘀血」が原因。飲んで頂いている漢方には、「活血」の働きもあるので、そのまま続行して頂きました・・・

 4ヶ月後 体重は5kg減。ふらふら感を感じなくなった。血色が出てきて、顔色が良くなっている。

 8ヶ月後 体重はトータル 8.2kg 減少!

 12ヶ月後 卵巣嚢腫の検査予定。翌日お電話すると、嚢腫が消えていた!と嬉しい声が聞けました。

“脾胃”が弱りやすい夏場は、体重が少し戻ったものの、血圧は下がってきており、むくみ・ふらつきは気にならない。ダイエット目的で始めた事だが、それよりも体調の良さが嬉しい!!

これぞ、漢方ダイエットの真骨頂。あとは体重が4kg落とせれば・・・あともう少し!頑張れ!!

 

※関連記事

漢方みず堂公式HP「漢方ダイエット特集」

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執筆者 河端 孝幸
大学生時代に、地域の人々の役に立つ仕事がしたいと漢方の道に入りました。漢方の「か」の字も知らずに、なぜ、草とか根っことか葉っぱが効くの??という西洋医学だけしかやってこなかった私には疑問ばかり。
就職して半年くらいがたったころ、「病気は自然治癒力が治す」という小倉重成先生の本と出合い、漢方のすごさを知り、真正面から漢方を目指し今現在に至っています。
漢方の良さを知ってもらいたい。宣伝ではなく本当の気持ちや事実をお知らせしたい。そんな気持ちでこのサイトを立ち上げております。
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