ダイエットをして多嚢胞性卵巣症候群を克服!

2019年5月10日

生理不順と漢方

ダイエットをして多嚢胞性卵巣症候群を克服!

目標は-13kg!!

168cmで85kgの30代のがっちりした体格の女性。元々体格は良いほうでしたが、このままではまずいと、漢方ダイエットに挑戦することに。

生活面は、仕事が忙しく、食事は遅い時間が多いとのこと。仕事のつきあいで飲み会も多い。断れない性格の為、自ずと外食が多くなりがち。その分、体の重さを解消するために、毎朝ランニングが欠かせない。他にも運動を日課にしており、体調面は自覚できるところではいたって健康。不調といえば、生理不順が気になるくらい。以前は4ヶ月に一度くらいのペースでしか生理が来なかった。病院では多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断され、2年前から治療の為にピルを飲んでいる。一番はダイエットだけど、生理が自然に来る体になれば良いな・・・

最初は、体に溜め込んだものをリセット

代謝アップには、内臓を休めることが大切。内臓は日々の消化活動で疲弊し、老廃物が蓄積しています。しっかり休めることで、老廃物の掃除と本来の力の活性化を促します。まずは、代謝を高める漢方薬とともに、食事量をぐっと減らして、空腹時間をしっかり保つことを頑張っていただきました。胃腸の働きが良くなると、代謝アップだけでなく漢方の吸収力も高まり、一石二鳥です。その後は、職場のつきあいも含め、生活スタイルに合わせた食事の摂り方で、徐々に減量。運動の習慣がついていることは、デトックス・脂肪燃焼には大きなプラスの力になったと思います。10ヶ月後には、目標達成!!

リバウンド防止の為と生理不順を改善する為に、漢方継続

同じ頃、ドクターの提案でピルを休んでみたところ、難なく30日で生理が来ました。次も自然に来ますように、と待ってみたものの・・・そう簡単にはいきません。50日経っても来ないためピルを再開。それからは、ピルを2ヶ月休み、自然に生理が来なければ再開、を繰り返しながら様子をみました。そうして10ヵ月もすると、自力での生理が連続!?まだ周期はばらばらで、26日だったり45日だったり幅はありますが、それでもピルなしで生理が来るのは大きな進歩。その後も漢方を継続し、翌年には、多嚢胞性卵巣症候群は治っていることが判明!今は、生理周期は30日前後とばっちりのリズム。もちろん、体重のリバウンドなしです。

 

漢方みず堂溝上薬局空港通り店 廣尾 なつみ

ダイエットと多嚢胞性卵巣症候群

実はこの方は、ダイエットの為の漢方も、多嚢胞性卵巣改善の為の漢方も、同じものを使っていました。どちらも同じ体質によるものだったからです。

□多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは ~西洋医学的な視点から~

排卵障害の主な原因の一つ。通常の排卵は、元々卵巣にある原始卵胞が、ホルモンの刺激を受けて成熟卵胞へ育ち、20mm程で卵巣から飛び出します。PCOSは、スムーズに成熟卵胞へと育たず、排卵に至らないままの小さな卵胞が沢山蓄積された状態です。卵巣の超音波検査をすると、10mmほどの小さな卵胞がネックレスのように連なっている画像(ネックレスサイン)が見られます。排卵がうまくできないために、生理周期が延びたり、不妊の原因にもなります。

○要因

PCOSの原因は、はっきり分かっていませんが、脳下垂体や卵巣内のホルモンバランスの崩れが考えられています。検査データに現れるところでは、以下のいずれかに該当するようです。

・脳下垂体ホルモンのアンバランス:黄体形成ホルモンLH≧卵胞刺激ホルモンFSH

・男性ホルモン高値

他にも関連するものとして、肥満、インスリン抵抗性(インスリンへの反応性が悪い)があります。いずれもホルモンバランスへ影響を与える要素です。

○治療

・妊娠を希望していない場合 → 子宮内膜がん予防の為に、低容量ピル、黄体ホルモン

・妊娠希望の場合 → 排卵を促す為に、排卵誘発剤、卵巣多孔術(卵巣に穴をあける)

※いずれもPCOSを完治させるものではありません。

・PCOSのリスクを減らす → 適正体重に減量、インスリン抵抗性の治療(糖尿病薬)など

□多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と肥満を漢方的にみると

○PCOSの主な要因

瘀血・・・血流が滞ることで、卵胞に質の良い栄養が届かない。停滞した毒素で卵巣の膜が固くなる。チョコレート嚢胞ができやすい。

痰湿・・・卵巣内がどろどろ淀み、血流を妨げる。卵巣の膜が厚くなり、排卵の邪魔をする。

肝気鬱結・・・ホルモンバランスの乱れを起こす。卵巣へ排卵の指令が伝わらない。

脾虚・・・「痰湿」を生じやすい。体力がなく、卵を育てる力、排卵させる力がない。

腎虚・・・不摂生や加齢により、卵胞自体のエネルギーが弱く、成熟に至らない。

 

○肥満の主な要因

瘀血・・・濃い味、肉類の食べすぎ、運動不足、あるいは、冷えから血流が悪く、毒素が溜まりやすい。固太り。

痰湿・・・油っこいもの、甘いものの食べすぎ、飲みすぎから、体の中の淀み「痰湿」が生じる。痰湿の停滞は、脂肪に変わり、内臓の働きを妨げる。内臓脂肪が多い。

肝気鬱結・・・ストレスから、代謝機能が乱れる。過食になりやすい。「瘀血」を引き起こす。上半身に肉がつきやすい。

脾虚・・・消化力が弱く、消化しきれない分が「痰湿」となって溜まる。食後の眠気、だるさ。体力がない。上半身はあまり太らないが、下半身がぽってり。

腎虚・・・水分代謝・排泄機能が弱く、「湿」がたまりやすい。下半身が重だるく、血流が悪くなりやすい。全身が浮腫んだように太る。

 

見ていただくと分かるように、PCOSと肥満の要因、けっこう共通していませんか?

さらに言うと、いずれの理由にしても現に太ってしまった場合、結果的に体内で増えたものは、「痰湿」もしくは「瘀血」なんです。どちらも、PCOSを引き起こす要因でしたね。つまり、“太る=PCOSの要因を作る”ということです。もし不摂生で太ってしまったのであれば、自分でリスクを高めてしまっているかもしれません…生活習慣に心当たりがある場合は、早いうちに見直してみましょう。

ダイエットとは「痰湿」と「瘀血」を減らすこと。そして、「痰湿」と「瘀血」が減れば、PCOSのリスクも減らせます。

 

もちろん、誰もがPCOS改善の為に、ダイエットをすれば良いというわけではありません。脾虚や腎虚が原因の方は、太っていない場合も多いです。また、ダイエットの方法も、デトックスが効果的なのか、代謝力をあげるべく補うことを優先すべきか、体質によってアプローチは異なります。

なぜその不調が出てきたのか、全身に目を向けてみましょう。一見関係なさそうな複数の不調も、元をたどれば同じ原因から来ているかもしれません。不調の大元から体質改善をすることが、今ある不調の改善にも、予防にもつながります。

 

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執筆者 漢方みず堂
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