妊娠中の風邪に葛根湯はダメ!

2014年12月10日

風邪と漢方

妊娠中の風邪に葛根湯はダメ!

漢方なら安心はウソ!

色々と飲める薬に制限がある妊婦さん・授乳婦さんに「漢方なら安心」と漢方薬を出すのは間違いです。漢方薬と言えども、妊婦さんに使えるお薬はかなり限定的です。

というのも、風邪と言えば代表的な葛根湯。実は、妊婦さんには使えません。

・麻黄が入る漢方薬、

・大黄が入る漢方薬、

・駆お血剤と言われる血の巡りをガンガン良くする漢方薬

は妊婦さんには「禁忌」です。

葛根湯の主成分は「麻黄」これのおかげで汗をかき発散させて風邪を吹き飛ばして治す漢方です。結構”攻め”の漢方薬なので、妊婦さんだけではなく老人や虚弱な人には向きません。

 

それでは妊娠中の風邪にはどうしたら良いか?まずはかなり初期の段階で対処をする事。肺炎になるまでこじらせてしまっては、もう漢方の出番はありません。

「安全性は確立されてませんが・・・」そんなことを言われながら抗ウイルス薬や抗生物質を飲むことになってしまいます。

 何となく風邪かな?頭や喉が少し痛いような、体もじっとり熱いような・・・

そんな時に素早く桂枝湯(けいしとう)を飲みましょう。飲み方は「風邪の漢方の正しい飲み方」に詳しく書いていますが、粥をすするまでは強制しませんが、とにかく桂枝湯を飲んで、お布団に入り、じわっと汗が出るまで3~4時間間隔ぐらいで飲み続けます。もちろん、夜寝ている間に起きてまでは飲む必要ありませんが。

もし咳がゴホゴホ出たり、喘息持ちの方は桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)を飲みましょう。

あまりに喉が痛ければ桔梗湯(ききょうとう)でガラガラ~ぺとうがいをして、抵抗がなければゴックン、しましょう。

何となく気持ち悪いな、お腹も痛いかも?巷ではノロウイルス流行ってるし・・・

そんな時には香蘇散(こうそさん)を飲みましょう。つわりの気持ち悪さかどっちか分からない時でも、飲んで大丈夫です。

いよいよちょっと下痢になってきた、お腹が痛い、やっぱり胃腸炎かな?咳や鼻水もあるかも?という時は参蘇飲(じんそいん)を飲みましょう。

参蘇飲は体力もつけてくれる漢方薬なので、風邪がなかなかすっきり良くならない時などにも大変重宝する漢方薬です。

 

妊娠中というのは、免疫力が下がり、何かと体の不調が出るものです。これからの季節、何より怖いのはインフルエンザなどの風邪と、ノロウイルスなどによる胃腸炎。万が一に備えて、桂枝湯と香蘇散を常備しておくといいですね!

 

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執筆者 福田 茜
九州大学薬学部卒 漢方みず堂漢方専門相談員
病院やメーカーを経て、株式会社漢方みず堂へ入社。
3児の母でもあり、妊娠・出産・子育てに関する漢方経験も多数あります。
福岡RKBラジオ「みず堂のなるほど漢方塾」には”優しいあかね先生”として出演しています。

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