汗と漢方〜多汗・寝汗・手汗~

2019年10月18日

自律神経失調症と漢方

汗と漢方〜多汗・寝汗・手汗~

多汗だけでなく過敏性腸症候群も治り、自信がついた!

21歳、真面目で周りに気を使いすぎてしまう、やさしい大学生のお話です。汗が気になり始めたのは中学生のとき。運動するとべたべたの汗が、顔や首、脇から出るようになりました。大学生になり、通学は自転車で駅までいき、そこから電車に乗るという生活がはじまりました。そうしたところ、自転車に乗った後、電車の中で顔から汗がふきだすようになりました。朝のラッシュ時、周りにたくさん人がいることが気になり始めてからは、どんどん汗がひどくなっていきました。

実はこの方、過去に川崎病になったことがあります。そして、過敏性腸症候群もあり、授業中にお腹が痛くなったり、下痢が一週間続いたりすることがあります。緊張しやすい性格は昔からだそうで、気を使いすぎてしまい、友人関係も面倒になってしまうことがありました。

体質的には、体の潤いが不足しているタイプ。完治していますが、川崎病もこの体の潤い不足が原因になったのだと推察できます。漢方は体の潤いを補うことで、自律神経の異常な興奮をおさえ、汗を抑える効果のあるものをのんでいただきました。のみはじめて10日くらいで少し効果がではじめ、2ヵ月後のゼミの発表会では緊張したにもかかわらず、汗が気になる事はありませんでした。お腹の調子も安定するようになり、何よりも自分に自信がもて、気持ちが前向きになったことが何よりも嬉しいとお話しくださいました。

そして、今まででは考えられなかった大人数の前での発表をしたり、インターンシップや就職活動も前向きに取り組めました。そして、希望する会社に就職が決まり、大変喜んでいました。

 

漢方みず堂杏林堂薬局ピーワンプラザ天王店 村上信久

汗の働き

エクリン汗腺からの発汗は、体温調節機能、湿度保持機能だけでなく、最近では細菌、ウイルスなどの侵入を防御する自然免疫機能が注目されています。

漢方でも汗に深く関わりのある「衛気」は防御機能のことで、昔から汗と病原菌などの闘う抵抗力とは関係しています。

西洋医学的な多汗症の分類・病態・疫学

多汗症には、全身性と局所性、またそれぞれに原因疾患のある続発性と、原因のわからない原発性があります。

2010年、原発性局所多汗症についての診断・診療ガイドラインが作成されています。

 

多汗症分類2

原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版より改変

掌蹠多汗症(手のひら・足の裏)

手のひらや足の裏にはエクリン汗腺が多いところですが、多汗症の人と正常の人とでは、その個数や分布、形状に差はありません。この場所の発汗は精神性発汗です。症状の重い場合、手足は絶えず湿って指先が冷たく、紫色調を帯びていることがあります。これは発汗神経だけでなく、血管運動神経も亢進しており蒸散と血管収縮により皮膚温度が低下したためと考えられています。発汗量は昼間に多く、覚醒時に増加しますが、大脳皮質の活動が低下する睡眠中は発汗は停止しています。

腋窩多汗症(脇の下の汗)

脇の下は温熱性発汗と精神性発汗の両方が共存する特殊な環境です。手のひらや足の裏の多汗症を伴っていることもあります。

頭部・顔面多汗症

男性に多く、長期間持続し、憎悪していくことがあります。髪が濡れ汗が滴り落ちるほどの発汗は、通常数分以内に収まるが、数時間から1日中続くこともあります。熱いものの飲食・情緒的ストレスによって発汗します。

また、原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂には、「原発性多汗症の特徴として、社会的な活動範囲が広く、生産性のある年代の罹患率が非常に高いことが挙げられる。患者は精神的な苦痛を受けており、この疾患では恥ずかしいといったような精神的要素が多くの患者に見られる。患者の医療機関への受診率は6.3%であり、疾患概念と治療についての診療ガイドラインの普及がさらに広まることが望まれる」と記載されています。

西洋医学的な治療法

塩化アルミニウム水溶液の外用

全ての原発性局所多汗症に対して、第一選択となります。継続して使用することで、表皮内の汗管がダメージを受け続け、分泌細胞の変性が起こり分泌機能を失うという器質的な機序が考えられています。2〜4週間ほどで効果が現れる場合もありますが、個人差も大きく、半年〜数年使用を続けないと効果がないこともあります。副作用で、塗った部位に刺激性の接触皮膚炎が出ることがあります。半数くらいの人に出たという文献もありますが、使用回数を減らす(または中止する)ことや、ステロイド軟膏の外用で軽快します。

 

○手のひら・足の裏・・・20%~50%を単純塗布/重症時はODT療法(大量に塗布した後ゴム手袋やラップなどで覆って就寝し、翌朝洗い流す)

○わきの下・・・10~35%を単純塗布/重症時はODT療法

○顔・頭部・・・10~20%を単純塗布(刺激が強く出やすい部分であるため、低濃度。粘膜への塗布は避け、接触性皮膚炎に注意が必要)

A型ボツリヌス毒素の局注

腋窩に対して、国内外で推奨度が高く、2012年より保険適用となりました。一方で、手のひら・足の裏・顔や頭部に関しては注射の際の痛みのコントロール方法や投与量の見解が統一されておらず、日本のみならず欧米でも保険適応にはなっていません。

ボトックス®は原発性腋窩多汗症患者の96.2%において発汗重量を50%以上減少させたという報告もあります。 (大嶋雄一郎ほか. 西日本皮膚科. 2013;75:357-364)

イオントフォレーシス

手のひら、足の裏には非常に有効な治療法です。汗の多い手のひら、足のうらを水道水の入った容器の中に浸し、10~20mAの直流電流を流す方法です。1回30分の通電を8~12回行うと汗の量が減ってきます。治療効果を維持するために、その後も1週間に1~2回行うこともあります。作用機序として通電することにより生じる水素イオンが汗の出口を障害して汗を出にくくするのではないかといわれております。

胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)

手のひらの多汗症に対して主に行われます。脇の下を3か所ほど切って、背骨近くの交感神経の繊維を見つけて切断します。傷は極めて小さく、負担は少ないです。根治的な治療として行われることも多いですが、ガイドラインにはETSが有効であるという文献が少なく、合併症の存在も無視できないとの記載があります。主な合併症は代償性発汗です。ほぼ全員に起こります。これは、胸や腰、腹、大腿部などの汗が多くなるという現象です。代償性発汗の程度は個人差が大きく、予測は不可能です。また、術後に手のひらが乾燥しひび割れができるなどということもあります。極めて稀ではありますが、心拍数減少や不整脈など心臓へ影響ができることもあるようです。

 

 中医学で汗とは?

 汗血同源・汗は心の液

中医学では「汗」というものを非常に重要視しています。例えば、筋肉を温め潤し、皮膚を健康に潤しているのは、汗液の為すところです。その汗液は津液(水分)の一部です。また、津液は血の一部でもあることから、「汗血同源」といわれています。また、血は血脈を主る「心」に属しているので、「汗は心液なり」ともいわれます。大量に汗をかくということは、津液、血液を損なうのです。また急激に津液を失うと、直接に筋肉に影響し、痙攣を引き起こしたりするのですが、これはよくスポーツ選手にみられます。ですので、女性に多い「血不足」タイプの方が大量発汗すると、よくないことがあります。そういう方が、流行りのホットヨガやサウナなどを日常的に行うのはあまりおすすめできません。

汗は陰陽のバランスが鍵

漢方では陰陽という考え方があります。万物すべての物・現象は、「陰」と「陽」の相反するものから成り立っているという考え方です。例えば、男(陽)と女(陰)とか、表(陽)と裏(陰)などです。人間の体をこの考え方でみると、「気」は「陽」、「血」や「津(水)」は「陰」となります。陽が多い方がよいというわけではなく、陰陽のバランスがとれていることが健康だけでなく、すべてにおいて大事です。

気血水

 

汗は津液(陰)に属していますが、汗の分泌と排泄は気(陽)の推動作用(動かす作用)と固摂作用(漏れ出ないようにコントロールする作用)に依存しているので「陰と陽、加わりて汗を為す」といわれています。西洋医学的に発汗は体温調節のためですが、中医学的にも、通常の生理的な状態において、陰陽のバランスを取るために発汗します。そのバランスが崩れることで汗の異常が起こるため、漢方での汗の治療は陰陽の調節をはかる必要があります。

中医学的な多汗の原因と治療方針

衛気虚

体の表面を守ってくれている「気」を「衛気(えき)」といいます。この衛気には防御作用があり、ウイルスや細菌、寒さ暑さから身を守ってくれています。また、体の必要なものが漏れ出さないよう守る作用(固摂作用)もありますので、毛穴の開け閉めとも関係しています。衛気が不足すると、汗が漏れだすように出てきます。そのほかにも、風邪を引きやすく、長引く傾向にあります。

<代表処方>

・補中益気湯:気を補う作用がとても強い。

・防已黄耆湯:気を補うだけでなく、水分代謝も高める。

・八味地黄丸/六味地黄丸:衛気の原料となる「腎」の力を高める。

営衛不和

陰陽のバランスが崩れた状態です。「営気」という全身を滋養し潤す作用のある気と、「衛気」という防御機能や体温調節機能などを行う気はお互いのバランスが取れてはじめて機能します。汗腺の開け閉めなどもこのバランスが重要になり、乱れると悪寒がしたり、蕁麻疹が出たりすることもあります。

<代表処方>

・桂枝加竜骨牡蠣湯:不眠や動機、不安感など精神的な症状を伴うものに。

・桂枝加黄耆湯:体力が落ちていて風邪をひきやすい方に。

陰虚火旺

体の水分や血が不足すると、陰陽のバランスが崩れ、「陰虚」という状態になります。そうすると相対的に「陽」が多くなってしまうため、体にくすぶった「虚火」が生じます。この虚火の熱が体の水分を体外へ押し出すため汗が出ます。昼間陽気が体表面を巡っているのに対して、夜間寝ている間は陽気は内をめぐるため、夜間は熱がこもりやすくなり、寝汗(盗汗)となります。

<代表処方>

・知柏地黄丸:皮膚や便などが乾燥傾向にあり、泌尿器系のトラブルを伴うものに。

裏熱

体の内側に熱がこもっている状態です。熱がこもる原因は様々あり、それによって対処方法も違います。陰虚火旺も裏熱のひとつです。他には、飲食の不摂生などで汚れから発生した熱(湿熱)や、ストレスがかかり鬱滞したところから発生した熱(肝鬱化火)があります。熱と水分の偏りの両方があると、多汗になりやすいため、湿熱は特に症状がひどく、なかなか治りにくいです。また、精神的なものも熱を発生させる原因になりやすく、また多汗症であること自体がストレスとなり、悪循環になってしまいます。熱は上(頭)や末端(手・足)に放出されやすいため、頭や手足だけの限局した場所に汗をかくことも。

<代表処方>

・竜胆瀉肝湯:粘っこい汗であることが多く、口が粘りやすい方に。

・茵蔯五苓散:余分な水分を多く溜まっていて、下痢や軟便傾向の方に。

・柴苓湯:肝鬱化火と湿の貯留の両方に。貧血傾向や体力低下気味の方は注意が必要です。

・白虎湯:裏熱をとる力が優れています。熱感の強い方に。

よく使われる生薬

黄耆

漢方の世界では一般的に、衛気(体の表面を守る働きのある気。水分など必要なものが漏れ出ないようにする働きもある。)を補うものとして「黄耆」という生薬をよく用います。黄耆は水分代謝も高めるため、衛気の不足による多汗には非常によく用いられます。(代表処方・・・防已黄耆湯、桂枝加黄耆湯、補中益気湯など)

しかしながら、衛気虚の多汗症なら、猫も杓子も「黄耆」というわけでありません。黄耆は主に「脾」と「肺」に働きかけます。衛気が正常に働くためには、「腎」の気を原料にし、「脾」で消化した食物から栄養を受け、「肺」のエネルギーにより分布されなければならず、腎が主役になります。黄耆の入っている処方で治らない時は、「腎」の力を補うことも考えなければなりません。

竜骨や牡蠣

「竜骨」は大型哺乳動物の化石化した骨で、「牡蠣」はカキの殻です。この二つは、漢方的に味が渋いとされていて、渋味で収斂させ、汗などが漏れ出ないようにする働きがあります。また、神経を安定させる作用もあるため、精神的なものを伴う多汗にはよく使用されます。(代表処方・・・柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蠣湯)

石膏

体にこもった熱を取る力に優れています。体にこもった熱が原因で大量の汗が噴き出すような場合で、同時に胸苦しさや口や喉が渇いて大量の水を飲みだがるなどの症状がある場合によく用いられます。主に呼吸器系統(汗をつかさどる皮膚は漢方では呼吸器系統に属します)、胃の熱を取ります。胃が冷えていて、少食の方にはあまり用いない方が良い生薬です。 (代表処方・・・白虎湯、白虎加人参湯、麻杏甘石湯)

全身から整えることが大事!

発汗は自律神経とも深いつながりがあります。その乱れは、どこかで頑張りすぎていたお体の声かもしれません。じっくりご自身と向き合っていただきたいと思います。

 

 

参考文献

[詳解]中医基礎理論 東洋学術出版社 著:劉燕池、浅川要他


執筆者 田頭 哉子の画像

執筆者 田頭 哉子
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員
漢方に出会って、考え方や人生観がとても良い方向へ変わりました。
病院やメーカーで勤務していたこともあって、西洋医学と中医学の両面から感じることもたくさんあります。
私自身もずっと漢方をのんでおり、その実体験からや(すごく元気になりました!)、お客様との出会いから学んだことなど、少しでも皆さんの健康と幸せのためにお役にたてる情報をお伝えしていきます!

アトピーを抱える女性たちの悩み

2019年8月23日

アトピーと漢方

アトピーを抱える女性たちの悩み

女子高校生のアトピー・じんましん・生理不順

小学校の頃から夏場は肘や膝の裏、首の周りなどにあせもができやすく、ひどくなりやすかった。
中学生になり、夏場のあせもだけではなく、肌の乾燥が気になるようになった。背中や首のまわりなど上半身がカサカサしてかゆい。特に運動などして体が温まった時にかゆみが出やすい。
皮膚科に通っていて、ステロイド剤を出されている。ステロイド剤を塗っているときは、かゆみは楽になるが塗らないとすぐかゆみがでてきてしまい、その繰り返し。
今年の春ごろから体にぶつぶつした赤みのある蕁麻疹が体中にでるようになった。
じんましんは特に疲れたときにでやすい。地震後のストレスのせいなのか、日焼け止めを使い始めたせいなのか、受験のストレスなのか蕁麻疹が出るようになった理由はわからない。

また、去年の夏頃から生理が遅れるようになった。1ヶ月半から2ヶ月くらいこない。期間は3日で経血量も少ない。どうしてそうなったのか原因もわからないので不安。

体質は疲れやすい、冬場は足が冷える、汗はほとんどかかない、むくみ(足)、目の疲れ、唇が荒れやすい。

3ヵ月後にはずいぶん改善

漢方を始めて、1ヵ月後。体のかさかさ、かゆみは変わらず。でも蕁麻疹は出ていない。生理は来たが1日で終わった経血も少なかった。

2ヵ月後、肌のかゆみは変わらず。夏になりこれからどんどん暑くなってくるのであせもができないか心配。でも、漢方薬を飲み始めてから蕁麻疹は出ていない。受験のストレスからか体(特に足)がむくみやすくなった。目の乾燥、唇の荒れがひどい。理は先月から約1ヶ月後にきた。2日で終わり経血量は少ないが、周期整ってきているのかなと感じる。以前と比べて汗をかきやすくなった。

3ヵ月後、肌のかさかさする感じなくなり、今かゆみがほとんど出ていない。あせもができていない。すごく調子がいい。唇の乾燥、目の乾燥、むくみも落ちついている。生理は1ヶ月後に来た。期間は3日で経血量はまだ少ないが、遅れずしっかりくるようになっている。

4ヵ月後、手の指に赤い湿疹とひじの裏あせもが出たが以前ほどのかゆみはなく、ステロイドには頼っていない。生理は1ヶ月周期で来るようになった。期間は3日とまだ短いが経血量も増えてきた。どうして遅れるのだろうとか、経血が少ないのだろうとか不安を抱えたままいたから、かゆみもそうだけど、この変化が嬉しい。

早めの対処

よく、漢方薬はどれぐらい飲めばいいのですかと聞かれます。とても個人差があり、なんとも回答しずらいのですが、目安としてお話するのは、罹患期間の半分ぐらいはかかりますよとお話します。

今回の方、生理不順は半年前から、蕁麻疹はつい最近、アトピーは10年ぐらいお悩みです。やはり一番最初、改善がみられたのはじんましん、それから生理が整い、3ヵ月後にはアトピーの様子も良くなってきました。ただし、アトピーに関しては長年のお悩み。季節による症状の波を見ながら、まだまだこつこつと体質改善していくことが大切です。

 

 

とにかく酷い頭皮の湿疹に悩む20代女性

27歳の女性の方。

小さい頃から季節の変わり目にアトピー症状が出ており、今までは病院の薬で治っていたものが今回は治らない。

夏から出だした頭皮湿疹が特にひどく、赤みやかゆみに加え抜け毛まで。秋には膿んでしまい、痛みで寝つきも悪くなっている状態。

アトピー跡もなかなかよくならない。特に背中。腕にも跡があり、見られるのが嫌なのに制服は年中半袖のお仕事。

元々アレルギー性鼻炎もあり鼻のかみずぎなのか耳も痛くなっていました。

漢方と美容のドリンクの相乗効果

漢方始めて1ヵ月後、ポツポツしたものが減ってきて、2ヵ月後には顔のガサガサが減ってきました。

冬から春という一番の季節の変わり目にどんどん良い方向に向かっていました。

ここで美容効果の高いドリンクも一緒に飲み始めたことも手伝い、4ヵ月後には背中と腕の跡がすごく綺麗に!!!いつも背中に薬を塗っていたお母様もびっくりの結果。

腕の跡もほとんど薄くなり、職場でも「綺麗になってよかったね」と声を掛けていただいているそうです。

どんどん綺麗になっていきました

まだ頭皮の症状はあるので現在も漢方は継続中ですがご来店くださる度に綺麗になっていくお客様。

笑顔の輝きも毎回増していき、こちらも自然と笑顔に。ありがたいことに幸せのおすそわけをいただいている気分です♪

背中の跡がひどかったこともあり、温泉に行くのさえためらっていたのが、今では羨ましいほど色白できめ細かい綺麗なお肌。

これからは自信を持ってどこへでも何の遠慮もなく行っていただきたいと思います。

 

長年のアトピー体質には漢方薬とスキンケアと生活改善!

小さい頃からのアトピー性皮膚炎。

ストレスを感じているつもりはないが、皮膚の状態は環境の変化で悪化しやすく、数ヶ月前に体調を崩し、勤めていた会社を辞めて自宅療養中。今までは悪化したらステロイドを塗って治していたが、ちゃんと体質改善がしたいと、食事、生活も見直しはじめたところでした。

初めてのご来店はちょうど梅雨入りした頃。1~2か月前からかゆみがひどくて眠れず、特に目の周りと中が痛くて、涙で余計にかゆい。朝起きたときは目ヤニもすごく目が開けられないほど。体はほてりがあり、体の中の熱がなかなか抜けない感じ、時々頭もぼーっとする。

全体的に皮膚は赤く、潤いがなくカサカサ。首やひじの内側など所々掻いた跡が残り、訴え通り目の周りは特に赤みが強く、ステロイドも使っていたので皮膚が薄くなっていました。

体質は暑がりでのぼせあり、手足の末端は冷え、貧血気味で立ちくらみやめまいも時々、最近は寝不足で疲れが取れず体が重い感じがする、お通じは毎日あるが硬くてコロコロ便ですっきり出ない、生理前に腹痛、お腹の張り、ぼーっとする感じがある。

耗血

小さいころからのアトピー性皮膚炎で、慢性的に皮膚に炎症が起き熱を生じている状態なので、陰血(全身に栄養を届け肌肉を潤す役割)が消耗してしまっている状態。そのため皮膚の乾燥、顔色には艶がない、等の症状がみられます。

とにかく消耗してしまった陰血を補い皮膚を潤し、かつ熱(炎症)を冷ましてあげる。また環境の影響で体調が変化しやすいため、体が柔軟に対応できるような漢方薬を飲んでいただきました。

体質改善の歩み

飲み始め1~2か月は大きな変化はなく、ステロイドは全身へ継続使用。

ステロイドの塗り方を確認したところ、痒みが出るのが嫌だから、痒い部分だけでなく、痒みのない部分へも全体的に塗っていたので、痒み・炎症のある部分だけに塗るようアドバイス。

3か月目、なんとなく肌の調子よい、ステロイドも部分塗り出来ている。体も疲れにくくなっている。まだ時々立ちくらみがあり、目がチカチカする。漢方だけでなく、食事でも血を補う食材を意識してとるようにアドバイス。今日はちょうど土用の丑の日。うなぎは漢方的に肝血を補うため、血が不足している人にはぴったりです!

4か月目、目の周りの赤み引いてきて、皮膚が作られてきている感じがする。化粧水で皮膚が熱くなることがある。辛いものを食べると痒くなる。スキンケアはとにかく保湿をしっかり!

6か月目、秋口。ほてりはないが、少し乾燥を感じる。夜以前のように起きるほどではないが掻いていることがあるので、夜寝る前だけステロイド塗っている。めまい、立ちくらみはもうない。お酒飲んだ次の日は顔の赤み出るが、普段はほとんど気にならなくなり、少しずつお化粧もできるように!季節的にも乾燥を感じるようになってきたので、よりお肌の潤いを強化するドリンクを追加。

7か月目、皮膚の質感がよくなっている。以前はこの時期でも日中外に出ていると乾燥と日焼けで肌がバリバリになったが、今は大丈夫。ステロイドはかゆみ、赤みの強い時だけ使っている。年末年始でイベントが増えるので、お酒の飲みすぎ、甘い物の食べ過ぎ注意!

9ヶ月目、肌の調子良い、皮膚が丈夫になってきた感じがする。生理前だけ痒みでてくるのでステロイド使っている。

スタートから1年が経過。1年前が嘘のように肌はしっかり潤い、丈夫になってきています。数ヶ月前からは新しいお仕事も始まりましたが、環境の変化でも悪化することなく良い状態を保てています。むしろ肌が元気になったことで、楽しめることが増え、表情も以前より明るくなりました。

漢方薬+α

皮膚疾患の改善には、漢方薬で内側からしっかり根本治療していくのと同時に、外側からのケア(特に保湿)、基本的な生活スタイルや食事の見直しもとても大切です。逆に言えば、折角体質に合った漢方薬を飲んでいても、他がそのままだと効果が半減しますのでご注意を!

モデルさんのようにすらっとした、笑顔が素敵な30代女性

小さいころからアトピーがあり、塗り薬等である程度落ち着いていたけれど、1年ほど前から症状がひどく出始めた。

半袖から覗くひじの裏からは汁がしたたるほど。ひざの裏も同様にジュクジュクとして、掻き壊して患部は紫色に盛りあがっていました。

抗アレルギー剤を服用するも、毎晩かゆみがひどくて眠れず、睡眠不足の毎日。漢方薬も、あらゆる体質のものを何種類も飲んでいて、余計に悪化することもありました。

一度、しっかり体質に合った漢方でやってみたいと、きっと最後の頼みというようなお気持ちだったと思います。

患部がじゅくじゅくは風湿熱

分泌物が多く、じゅくじゅくした皮膚症状は「湿」が悪さをしている証拠です。毎年梅雨時期に悪化しやすいというのも、さまに湿が悪さをしているからです。

強いかゆみをなだめ、ジュクジュクを乾かしながらも、お肌に必要な潤いを補う漢方と、夜はよく眠れるようにかゆみをとりながら寝つきをよくする漢方を頓服でお出ししました。

季節の変化も大いに影響する

毎年悪化するという梅雨時期からのスタート。

まず試しに2週間ほど続けられ、ジュクジュクが日に日によくなっていくのを感じたとのこと!体質に合う漢方をしっかり選ぶことが大切だと、お客様と一緒に実感しました。

飲み始めて1ヶ月もすると、さらさらとしたお肌の日も増えて良い感じ!ただ夏も本番、連日の蒸し暑さに汗をかくときはまだジュクジュク気味。この頃より漢方での体質改善だけでなくお食事も和食中心の粗食に切り替えていきました。

3ヶ月も経ち、秋になる頃にはジュクジュクはほぼ収まり、紫色にぼこぼこと盛り上がっていた跡も、色も薄くなめらかになってきました!季節的にも乾燥が強くなってきていたので、クリームでしっかり保湿。100gのクリームが週に1本のペースでなくなる程の状態が2ヶ月程続きました。

冬に向かい外気の乾燥は強くなるものの、保湿剤の量はぐっと減りました。この時点でかゆみはほぼ無く、掻くことも減ったので色素沈着も薄くなってきました。たまに痒くなってひっかいたとしても、傷になりにくく、お肌が丈夫になってきたことを実感!

そしてアレルギーが悪化しやすいと言われる春を迎えても、お肌はぶれません!煎じ薬の量を徐々に減らしながら毎日欠かさずこつこつ飲んで、状態もだいぶ安定してきました。今まで蒸れてかゆくなるからと避けていた厚手のデニムも履けるようになり、「痒いと思う瞬間がほとんどありません!」と嬉しい言葉を聞けるまでになりました。

 

 

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夏に悪化するアトピーに悩む30代女性

32歳女性。

生後間もない頃から続くアトピー。幼少期よりはだいぶ良くなったけれど、大人になった今でも、毎日抗アレルギー剤とステロイドの塗り薬が手放せない毎日。このままずっと薬に頼って過ごしていくのは嫌!漢方なら中からちゃんと治せるかもしれない。と思い、ご来店されました。

初めてお会いした時、見る限りでは、そんなにひどいようには見えず、少し皮膚が薄く、ところどころ赤みと掻いた跡が気になる程度。ですがお話を聞いていくと、洋服で隠れている部分、ひじ・ひざ裏や、胸・背中、頭皮などにひどく出ていて、広い範囲に強いかゆみを感じていらっしゃいました。

そのかゆみも夜になるとさらに強くなり、隣で寝ているご主人に、「ボリボリと音がするくらい掻いているよ」と心配されるほど。毎朝起きると掻き傷が増えているという状態が続いていました。

基本的には年中かゆみはあるけれど、特に汗をかく夏には悪化しやすく、今年は少しでも快適に夏を過ごせるようにとの思いでスタートしました。

血虚血熱と去風薬

お肌の状態は、化膿やジュクジュクした様子はなく、やや乾燥していて、赤くプツプツした発疹が出ていました。体質は3日に1回ペースの便秘、経血量が多く、時折立ちくらみもあったので、血虚血熱をベースにかゆみをなだめる去風薬が入った漢方を続けていただきました。(詳しくは「赤ニキビ」に温清飲と荊芥連翹湯と柴胡清肝湯の使い分けを参考にしてください)

気乗りしなかった海水浴にも行けるように

まず飲み始めて一週間ほどで、お通じがほぼ毎日出るようになり、肌の赤みと夜のかゆみも和らいできているとのこと!スタートから1ヶ月経ってお会いした時には、毎日飲んでいた抗アレルギー剤も、月に数回、数えるほどまで減らせていました。

予想を上回るペースでの改善に、一緒になって喜びました。ですがこれからは暑さが厳しくなる時期。油断は禁物!

そして5月、6月。沖縄はほぼ夏です!じめじめと蒸し暑い日が続き、汗をかく機会が増えてからは、やはりかゆみ・赤みはやや悪化。それでも1日も欠かさず飲まれていたこともあり、以前より酷くなることはありませんでした。

この時から、ベースの処方は変えずに、夜のかゆみを和らげる為の清熱の漢方を加えました。

すると嬉しい変化が。経血量が少しずつ落ち着き、それに伴って立ちくらみも減ってきました。血熱が冷めてきている良い兆しかも。と思い、引き続き夏の間は余分な熱を冷ます漢方との併用を続けます。

そして7月。ぱっと見た瞬間からわかる調子の良さ!「暑さはどんどん厳しくなっているのに、すごく調子良いです!」とおっしゃる笑顔はとても眩しく、感動とホッとした気持ちになりました。そして今までは掻いた跡を見られるのが嫌で気乗りしなかった海水浴にもいけるようになり、沖縄の綺麗な海や適度な紫外線の効果もあってか、肌もなんだかたくましくなっているようでした。

アトピーの症状は、季節や環境の変化に敏感に影響を受けます。それでも強い肌を作ることができれば、症状の波は穏やかにしていくことができます。この良い状態が続くよう、これからも応援させていただきたいと思います。

 

 

20年来のかなり酷いアトピー性皮膚炎を抱える40代女性

アトピーでお悩み。小学1年生の頃、喘息も持っていたが、それは治ったがアトピーはそのままずっと続き、皮膚科にも通い続ける。20歳を過ぎる頃からどんどん酷くなり、赤み・ジュクジュクも。黒ずんだ感じも強く、かなり酷い症状。久しぶりにあった人には日焼け?と言われるくらい。

言葉は少ないながら、そのことがお客様の心の面にもお悩みを深くしているご様子でした。

まずは血熱をとる漢方からスタート

漢方を飲み始めて2週間後、赤み・乾燥がひどくなっている。便は出る。

実は、皮膚病の場合、飲み始めに悪化することがよくあります。これは瞑眩と言われ、悪いものを外に出している過程で起こる現象です。そういったことも十分納得して、耐えていただきました。

2か月後には少し良くなってきている。ストレスも緩和。

炎症が取れてきつつあるので、血熱をとりながら、良い血液を補う漢方に切り替えていきました。

半年後には、赤みを言われるくらいあったのが、一気に良くなった!肌に優しいタイプのものでお化粧が出来るようになった!

8カ月後はちょうど冬の乾燥の時期で、やはり肌も乾燥。
ちょうど1年後、赤みは1年前と比べると大幅に良くなっているが、肌自体の黒ずみや硬さなどは残っている。
そしてまた迎えた冬、やはり乾燥の季節なので、いつもよりカサカサが。

そうこうしているうちに、2年が経過。水素水を開始したのもあり、かなり良い!肌の状態も良い状態が長く続く様になっている!

肌が生き返ってきている

2年前の初めてのご来店時は本当に酷かったのが、今では赤みや黒みも改善し、肌が生き返ってきているといった感じです。またお気持ちの面も良くなっていっていることから、どんどん明るい表情が出るようになっています!

 

 

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閉経後のアトピー性皮膚炎

5~6年前 生理が終わったぐらいから、全身にかゆみがあり全身かいていた。ひじの所は汗をかくとプツプツ。背中にもブツブツができ、足はザラザラでした。美容室のクリームでは、首の後ろが熱くなったり、猫でアレルギーが出たり、掃除をしたらかゆくなることも。

皮膚科では、かいてはダメと言われ辛い状況が続き、繰り返し薬を飲んでいました。このままではいけないと思っていた矢先、漢方の特集のテレビを見て、これだ!と思われたようです。

閉経後は陰虚がすすむ

体質としては、暑がり・手足のほてり・肌の乾燥・目の疲れ・充血と、体の中に熱がこもっている状態でした。閉経後は体の陰液が消耗するため、体の熱を冷ますことができなくなっていきます。この方もまさにそんな状態でした。

熱をとりながら、血を補う漢方を飲んでいただきました。

じっくりゆっくり

漢方飲み始めて3ヶ月後、良かったり悪かったりの波があるものの、かゆくないときも。せきが少し減った。

4ヶ月後、去年と比べると良い。かゆみは少し。お風呂上りは赤くなる。

6ヶ月後、お腹周りが治ってきてツルツルになってきた。その反面首から上がひどく、真っ赤になって皮がむける。ジクジクになって血が出たり、かいて血が出ることも。

10ヶ月後、落ち着いてきて、範囲も狭くなっている。

その後も一進一退を繰り返しながら、約1年6ヶ月後にはかゆみは全くない!乾燥しカサカサする。首から上がザラつく。

そして2年がたつ頃には、お肌すごく順調!汗をかいた時だけひざ裏が赤くなる。

波がありながらも、くじけず、じっくりやっていったおかげで、すごく良くなりました!今でも汗をかいた時などは赤くなることもありますが、とてもアトピー性皮膚炎で悩まれていたお肌には見えない程、見違えるお肌になられました。


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執筆者 福田 茜
九州大学薬学部卒 薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員
病院やメーカーを経て、株式会社漢方みず堂へ入社。
3児の母でもあり、妊娠・出産・子育てに関する漢方経験も多数あります。

漢方とアトピー性皮膚炎

2019年8月18日

アトピーと漢方

漢方とアトピー性皮膚炎

漢方とアトピー性皮膚炎

アレルギーの代表的症状、アトピー性皮膚炎は、表面的な塗り薬では根本的な解決は難しい疾患です。

病院の治療は対処療法のみで何かいい方法はないかとお悩みの方も多いと思います。

原因は体の免疫異常であり、その免疫異常を起こしている要因も人ぞれぞれです。

漢方では、現れている症状を改善しながら、根本的なアトピー体質を改善していきます。

一方、漢方薬を飲むだけで治るわけでもありません。漢方薬と共に、心食動休環という養生も重要です。

特に皮膚病の場合食事やスキンケアは欠かせないポイントです。

様々な視点からアトピー性皮膚炎に関する体験談を紹介していますのでぜひ、ご覧ください。

 

長年繰り返す皮膚炎をどうにかしたい!

発症して7~8年、毎年繰り返している皮膚炎。

顔、特に目の周辺、首元、手の指に赤みのある湿疹。

何とか良くならないかと大変お悩みでした。

最初は、甘い物や小豆など食べ過ぎると発疹が出たが、

最近は、食べ物に限らず季節の変わり目や体調により

出たり引っ込んだり。

だんだんと食べ物に恐怖心を抱くように。

 

黄耆が入った漢方で皮膚の修復力が上がった!

漢方薬を飲み始め一週間経過したころに、

手の指の赤みや痒みが少し増加。

一旦たまった悪いものを外に出す漢方薬の場合、

このようなことは比較的よくあり、

よっぽどひどい時は減量することも。

 

徐々に赤みが薄くなり痒みも和らいできた

本人の体調はすこぶる良く、

掻かないようにだけ我慢していただき、

そのまま服用を続けることに。

さらに一週間ほどした頃から、徐々に赤みが薄くなり、それに

伴って痒みも和らいでいきました。

一旦ば~っと悪化したように見えて、

その後はす~っと良くなっていくということが漢方の場合多々あります。

 

それ以後は薄皮を一枚一枚剥がすように日々綺麗になっていると

ご本人も大変喜ばれておりました。

お会いしても、以前とは違って一目で赤みがないことが分かりました。

 

皮膚炎の症状が良くなってきても油断は禁物

ただその過程において、少し油断して甘いものを食べ過ぎたりすると、

その翌日からテキメン手の指に赤みと痒みが出てしまうこともあり、

それが引くまで一週間ほど要したりを幾度か繰り返しました。

但し、お顔や首元には一切再発したことはなく、

お友達からも「良かったわね」と会うたびに言われて嬉しかったそうです。

 

現在は8ヶ月を経過して、徐々に漢方薬も減量できるようになりました。

ご本人も二度と出ないように食事にも気を付けられ、

欠かさず漢方薬は飲み続けられています。

 

 

水毒によるアトピー性皮膚炎

小さい頃からのアトピー性皮膚炎で、病院治療を繰り返している。

現在は口周り(ひげ剃りで負ける)と、特に両手指、両腕の症状が強く、患部は痒みはないが、赤くて、痛み、

熱感があり、乾燥とじゅくじゅくが混在していました。

パソコンや書き物など、手を使う作業が長時間続くと痒くなり、季節では冬場が乾燥するので荒れがひどいとのこと。

次の年には、新しくお仕事も始まるのでその前にちゃんと良くしたいという思いでした。

水滞・水毒

今までを振り返ると、部活をしていた中学生の頃が一番肌の状態が良く、体重も今より20kg近く痩せていたとのこと。

体質を確認すると、暑がり、汗かき(緊張すると手汗・脇汗あり)、水分2L、口渇あり、食欲あり、お小水1日7~8回と、水滞の症状が多くみられました。

中学生の頃のお肌の状態が安定していたのも、毎日の部活動で体を動かすことで、余分な水の滞りがとれていたからと考え、

漢方薬は体の水はけを良くして、炎症をとっていく漢方薬を使っていきました。

服用2週間で変化が!

漢方を飲み始めて2週間後、患部のじゅくじゅく感が減ってきて、赤みも落ち着いている。毎日飲んでいたジュースも飲まずに我慢!

1~2ヶ月後には、口渇もなくなってきた。そろそろ乾燥してくる時期、保湿クリームも使いながら維持できている。

4ヶ月経った頃、乾燥はあるが、例年に比べると全然違う。じゅくじゅく感はもうない。傷の範囲も小さくなってきている。

 

漢方をきちんと飲めていると症状の出かたが違うと実感!症状の辛い冬の時期もひどくならず乗り越えられてほっとしています。

これからの春の時期、代謝も上がり体重も落ちやすい時期なので、運動も取り入れながら更なる症状の改善を目指しています。

 

砂糖はアトピー性皮膚炎を悪化させる

ご主人様が東京での仕事を辞め、地元でレストランを開業。

ご自身も他の仕事をしながらレストランを手伝うというハードな生活になって半年。

子供の頃からアトピーで、中学生までは膝の裏やひじの裏が痒くなっていましたが、それ以降は痒みもあまり出ることなく過ごされてきました。

レストランでのお仕事で洗剤を使うせいか、手あれが始まり、時計をしているところに汗が溜まって痒くなる・・・。

そうして、初めてお会いした時には、顔も赤く痒そうで、アトピー独特の目の周りがただれているような感じもありました。

生活が大きく変わり、様々なストレスも悪化の要因になったのだろうと察しがつきます。

血虚と血熱

症状としては、顔がほてり、痒みがあり、特にお風呂上りがひどいとのこと。さらに年中、鼻炎。一方で、貧血体質でした。

皮膚が赤くなっていたり、お風呂上りの体温上昇時にひどくなったり、ほてったり、という症状は「血」のなかに熱を持ってしまう血熱という状態です。

漢方では「血」はうるおいであり、栄養分。血が不足することで、皮膚のうるおいや栄養分が足りず、すぐに熱(火)が起こってしまう。さらにその熱が「血」を乾かしてしまう。

悪循環になってしまっていました。

砂糖がアトピーを悪化させていた!?

レストランを手伝うようになって、どうしても余ったプリンやガトーショコラなどのスイーツがいつも身近にあり、コーヒーや紅茶と一緒によく食べてしまっているということでした。

砂糖の摂り過ぎは、血虚を悪化させてしまうといわれています。

血虚とは、ただの貧血ではなく、血の質が悪いことも意味します。

皮膚へきれいな「血」が行き届かず、炎症がおこりやすくなっていたと考えられます。

意志を感じた一言

血を補充しながら血熱を冷ます漢方をのんでいただくようにしました。

煎じ薬をスタートした翌日。お電話で状況をお尋ねすると「味にビックリしました!でも大丈夫です!」と前向きなお答え。

必ず良くなりたいという意志を感じました。

煎じ薬は決しておいしいとはいえないものばかりです。特に血熱を冷ますものには苦味のある生薬ばかりです。

ただ、最初に苦手に感じたものが、体に馴染むにつれ、だんだんと苦なく飲めるようになっていきます。

2ヶ月で痒みがすっかり治った

始めて1ヶ月後には、夜中に痒みで起きるということがなくなり、2ヶ月後にはすっかりなくなりました。見た目の赤みも綺麗に。

もちろん、レストランのスイーツ、そして飲み物に砂糖とミルクを入れることも控えていただいています。

漢方薬は自然の草根木皮実を使うので、食事の延長線上です。食事を正すことはとても大事なのです。

このような方の鼻炎も皮膚の症状と共によくなってきます。

 

 

※関連記事

アレルギーと砂糖の深い関係

アトピーの再発に悩まされる女性

小さいころからアトピー性皮膚炎に悩まされ皮膚科にて塗り薬を処方されていた。

それから中学・高校と成長するにつれ症状は落ち着き塗り薬も使用しなくてよいほどになっていたが、

就職し仕事を始めたころから再び関節部分に症状が出始めてそのうち全身に広がり始めてきた。

特に忙しいときや疲れたときに症状がひどくなる。
急に痒くなって広がる感じで乾燥もしている。(掻いて出血、傷になる)また最近では手の指に水胞ができるようになった。

気の消耗

体質としては、忙しくなると呼吸が浅くなり息がしにくい。生理痛が酷い(忙しいときには周期が1週間遅れる)。

寝汗、首・肩・背中のこり、たまに立ちくらみ、お通じ1~2日に1回。

明らかに、仕事を始めて「気」が消耗し、症状が出ている状態。体格も華奢で、気と共に「血」も不足しているようでした。

特に皮膚の栄養剤とも言われる「黄耆」の入った、痛みをとりながら、気血を補っていくベーシックな漢方を飲んでいただきました。

皮膚の修復力が上がった!

漢方を飲み始めて、1ヶ月目。忙しいわりに生理もきちんと来て痛みもなく鎮痛剤も飲まなくてすんだ。

2ヶ月目、痒みで掻いて傷になった場所の治りが早くなった。顔の肌つやもよくなっている感じがする。

皮膚科でも先生によくなっていると言われてとても嬉しかった。
3ヶ月目、生理痛が無いといっていいぐらい。漢方のみはじめるまえは、一度痛みが出ると立てなくなり、

そこで鎮痛剤を飲むが1時間は動けない状態が続いていた。

痛みを数値化するならば、漢方飲む前が10としたら、1か月後は8、それ以降は2ぐらい!!

肌の状態も今までは体の一部分に痒みが出て掻いて出血しそれが治らないうちにどんどん全身にひろがっていたが、

今は痒いところは広がるが傷になる前に治って次ができてと、皮膚の修復力が上がっている感じがする。

間違いなく去年の同じ時期に比べるととてもよい状態。

 

 

痒くて眠れない・・・漢方でアトピー体質改善した男性

「とにかく痒くて眠れなくて・・・。どうにかなってしまうのではないかというぐらい辛いです。」

25歳男性、長年アトピーのような感じはあったものの病院の薬さえ塗っておけば

ある程度我慢できていた状態が続いていましたが、夏に金属によるかぶれのようなものが出来てから一気に悪化し、

強いステロイドを塗ってもあまり効果は無い。

それまで肘の内側やひざの裏といった皮膚の薄い部分だけだった症状は胴体や頭皮、

顔面にまで及び見た目も真っ赤にただれた状態で全身をかきむしりたくなるような強い痒みは一日中続くように。

きらめなくてよかった!

漢方を始めて1か月後、赤みと痒みはまだあるものの、徐々に効果が出ているのを感じる。

2か月後、一度良くなった気がしたがまた痒みが出てきた。3か月後、カサカサが少し良くなってきた。

痒みはまだあるが以前よりは良い。一進一退を繰り返していました。

しかし6か月後には頭皮の赤みと痒みはほとんどなくなり見た目もきれいに!1年後には身体の赤みもなくなりきれいになったが、

汗をかくと痒みが少し出る。去年に比べれば全然大丈夫! その後も根気よく続け、1年半後、痒みもほとんどでなくなった。西洋薬も全く使っていない!

そして2年後。ついにまったく症状が出なくなった!本当に嬉しい!

アトピーの克服に向けた強い思い

皮膚病に使用する漢方薬は飲みにくいものが多く、味で苦戦する方もいらっしゃいます。

この方も最初は「苦くてなかなか飲めない・・・でも治るために頑張って飲んでいます。」との返答でした。

でもとにかく「治したい!」と思ってきちんと毎日服用し続けた事、その強い気持ちが何よりの特効薬だったようにも思えます。

季節による影響もあるのでアトピーなどの皮膚の症状は一進一退を繰り返しながら、長丁場の体質改善になります。

2年間の道のりはこうして振り返るとあっという間でも、その時々で一喜一憂があり、特に調子が悪い時は苦しいものです。

でもこうしてあきらめないで、続けられたのは「治したい」の一心。その毎日毎日の頑張りに、心から拍手を送りたいと思います!!

 

 

子供の鼻炎・喘息・アトピー

3歳くらいからアレルギー反応があり、ダニ・ホコリなどで、鼻が出たり、詰まったり、肌がカサカサ。

動物の毛にも反応。小学校1~2年で喘息はほとんど出なくなってきた。

1年の歩み

漢方始めて2か月後、肌の調子は良い。黄鼻は少なくなっているものの鼻つまりはまだまだ。

朝が特に鼻が詰まっている感じで鼻水も多めに出る。春になり、調子よかった肌がやや悪化。

上半身に赤み・痒みあり。頑固だった鼻つまりはなくなってきているが、朝は鼻水が少し出る。

9カ月後、食事によるアレルギー等はなくなってきている!身長・体重ともに増えてきた。

1年後、肌の状態は部分的に出ることはあるが、全体に出るようなことはない。

鼻もたまに詰まるが全然良い!この1年で抗生物質や病院のお薬を使うことが大幅に減っていると気付いた!

子供は早い

これからまだまだ成長して、もっともっと強くなっていくはず。

日々の歩みは目に見えないものですが、改めて振り返ると1年で子供は見違えるほど成長します。

途中波がありながらも、根気強く続けてくれた本人と、サポートしてくださったお母さんに心から感謝します。

 

思春期のアトピー~受験ストレスで悪化~

もともとアトピー体質で、子供のころからオーガニック食品を中心に白砂糖なども摂らず、

お母様が意識高く頑張ってこられたお陰で、ずいぶんと症状が緩和されていたところ、受験対策時期を迎え、

ストレスなどもあり、うで・背中・お腹など特に上半身にアトピー様症状が今までで最も強く出て来られていました。

新しく症状出たところは赤みも強く、乾燥もあり、かゆみも強いとの事。

症状が経過すると黒ずんで皮膚は固い感じに。部活などでも友達から心配され、合宿などではお薬も友達が塗ってくれるとの事だが、

本人の気持ちが沈んでしまうとの事。季節的には毎年、汗ばむ夏に出やすい。

皮膚科にも行っているが、なるべくステロイドは使いたくない。ホホバオイルやヘパリンスプレー、抗アレルギーは飲んでいる。

体質としては、暑がり、乾燥肌、寝つき悪い、生理周期35日、経血は赤黒っぽく血塊あり、ストレス感じやすい

思春期のアトピー

かなり症状が強く、年ごろの女の子ということもあり、気持ち的にもとても沈んでいました。

私自身、同じ年頃の子供がいるため、親御さんのどうにかしてあげたいという気持ちも痛いほど伝わってきました。

受験のストレスが何よりも一番の悪化要因でしたが、受験をやめることはできません。

漢方薬はストレスによって滞った気の巡りを改善し、炎症を取り、綺麗な血液を補っていくものを飲んでいただきました。

3ヶ月で概ね改善

漢方薬を飲み始めて1ヶ月後には、痒みと赤みが引いてきました。新しい箇所もできにくくなったが、まだ抗アレルギー薬は使っているとのこと。

2ヶ月後、新しい箇所は今回は全くできていない。症状がひどかった背中→腹→うでと効いている感じがする。乾燥はまだあり、

黒ずんだものはまだある。新しい箇所が出来なくなったことと、かゆみを感じることが少なくなったことが気持ち的にも嬉しい!

3ヶ月後、引き続き新しい箇所は出来ず、黒ずんでいた所も肌の色が戻ってきている。汗ばむようになってきて、かゆみは出るときもある。

抗アレルギー薬は日によって使う事あり。

4ヶ月後、当初の症状の箇所は肌も新生してきているところで、すごくよくなっている!

違う所では、ひじの内側にあせもができた。

やはり普段から食事に気をつけ、ステロイドも使わずにこられていたので、

改善が非常にスムーズだったと感じています。

 

皮膚病の八綱弁証(はっこうべんしょう)~プロの見立ての重要性~

皮膚病の病名数はいくつあるかご存知ですか?

 

 

 

1,000種類以上というのが正解です。

 

その1,000種類の皮膚病を診断していくのって、専門医でも大変だと思います。

皮膚病の場合、西洋医学的には「皮膚の病気」として見ていきますが、

漢方では内に病あれば、必ず外に現われる」という考えがあり、

皮膚病を単なる局所的な問題と考えず、全身的な状態の現われと認識します。

 

どんな病気でも漢方を選ぶ際には、大きく2つに区分していくことを最低3種類します。

それが以下の方法です。(八綱弁証(はっこうべんしょう)といいます)

 

 

①体に熱があるための皮膚病なのか、冷えがあるための皮膚病なのか

を判別します。この判別するという事を「弁証」と言います。

 

②進行状況やいつからの皮膚病なのか(もう数年前から?生まれつき?数日前?)

によっても大きく漢方薬が変わってきます。

 

③さらには、現在のその患っている方の病気に立ち向かう力の状態はどうか?

 

この3種類のうち①は、熱か寒か。

 

②は表か裏か(病気が中まで入っている(裏)かまだ表面(表)か

③は実か虚か(まだ抵抗力がある(実)か弱々しい(虚)か)によって、大きく分けていきます。

 

 

この分類だけでも漢方薬は、様々に分けられ、その代表的なものは

①で熱を持っている皮膚病を改善するのは

治頭瘡一方(ちずそういっぽう)

主に脂漏性湿疹に使います

 

 

①で寒を持っている皮膚病を改善するのは

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅうしょうきょうとう)

主に凍傷に使います。

 

 

②で生まれつきなものや他の様々なアレルギーも合わせて持っているのを改善するのは

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)温清飲(うんせいいん)

 

 

②で割りと早めのものや何かでかぶれたときに使用して改善するものは

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

 

 

③で実証用の方用の皮膚病の漢方薬は

茵蔯蒿湯(いんちんこうとう) 大柴胡湯(だいさいことう)

 

 

③で虚証の方用の皮膚病の漢方薬は

六君子湯(りっくんしとう) 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)

 

という具合に、この分類方法(漢方の処方を選ぶ際の分け方)だけでもこれだけの漢方があり、

さらには、臓腑で分ける臓腑弁証、気血水でわける気血水弁証があり、その組み合わせで漢方を選んでいきます。

西洋医学の薬の選び方とはまったく違い、漢方には漢方の選び方があります。

単純にこの病気にはこの漢方というわけにはいきません。

一般のドラッグストアに並べてある漢方薬は、法律的にその効能効果が西洋医学的に2種類書いてあればそれで販売できることになっています。上記のような細かい記載は無理です。

ご自分で判断せずに、漢方を服用される場合は、ぜひ専門のところで漢方薬を!

 

 

<アトピーに良く使う漢方薬>

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
温清飲(うんせいいん
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

消風散(しょうふうさん)

治頭瘡一方(ちずそういっぽう)

白虎湯(びゃっことう)

当帰飲子(とうきいんし)


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執筆者 福田 茜
九州大学薬学部卒 薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員
病院やメーカーを経て、株式会社漢方みず堂へ入社。
3児の母でもあり、妊娠・出産・子育てに関する漢方経験も多数あります。
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