地黄(じおう)

2015年6月29日

生薬

地黄(じおう)

鮮地黄・乾地黄・熟地黄

地黄はゴマノハグサ科の植物アカヤジオウなどの根を使います。

土の中で保管した乾燥していない新鮮なものは鮮地黄、天日干しや加熱などで乾燥させたものは乾地黄、乾燥とお酒で蒸す工程を繰り返したものは熟地黄といいます。

ただ、鮮地黄は日本ではほとんど出回っていません。

鮮地黄の見た目は薄い黄褐色の根っこですが、乾地黄は外側が黒っぽく、熟地黄になると中まで真っ黒くツヤが出てべたつく感じになります。それに伴って、性質も変化していきます。

〇鮮地黄:甘・苦、大寒、清熱涼血、生津

甘みもあるものの苦みが強く、身体にこもった熱を強力に冷まします。

熱を持って出血し易くなっている時の止血や、体がほてり喉が激しく渇く時など、熱症状が強い時に使います。

〇乾地黄:甘・苦、寒、涼血滋陰

鮮地黄と同じような性質を持ちますが、苦みより甘みが強く、より穏やかに熱をとり、身体を潤します。

長く熱症状が続き、潤い不足の状態が慢性化しているような場合に使います。

 

〇熟地黄:甘、微温、補血調経、滋腎益精

苦みがなくなり、冷やす性質から温める性質に変わります。

血を補って体を潤す働きを持つため、血が不足気味の女性や慢性疾患で体液を消耗しているような場合によく使われます。

また、成長や発育、子を授かるためのベースとなるエネルギーである腎精を養う働きがあります。

発育の遅れや加齢によって出てくる症状、お子さんを望まれているのになかなかできないような場合に使います。

注意点

地黄には消化しにくく粘っこい性質もあるため、胃腸が弱く消化不良を起こしやすい人や、体内に水分を溜めこみやすい水滞の人には向きません。

胃腸への負担を軽減するには、鮮地黄、乾地黄よりも熟地黄の方が良く、また、空腹時ではなく食後に飲むようにしたり、消化を助ける縮砂を加えるなどの方法もあります。体質に合うものを飲むことがやはり一番大事です。

地黄を使う漢方薬

地黄が処方名にもなっている 六味地黄丸八味地黄丸

血虚に用いる基本処方である 四物湯

それをベースに構成された 十全大補湯温清飲芎帰膠艾湯

他にも炙甘草湯潤腸湯など…

いずれも血液や津液を補って体を潤す働きのある漢方です。

地黄は様々な漢方に含まれ、使用頻度の高い生薬です。

同じ漢方薬であっても、どの地黄がぴったりか体質を考えて使い分けることで、処方の幅が広がります。


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執筆者 児島 諒子
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員

一時的にではなく、体質からの改善につながる漢方に魅力を感じ、大学生で初めての就活をしている中で出会ったのが、漢方みず堂。
漢方は勉強するほど、奥深くておもしろいです。
今の身体の状態をつくっている心の持ち方、食事、運動、休息など様々なことに目を向けながら、漢方の力を生かして心地よい体づくりをお手伝いできればと思います。
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