黄耆(おうぎ)

2015年11月24日

生薬

黄耆(おうぎ)

黄耆は、マメ科キバナオウギ、ナイモウオウギなどの根を乾燥させたもの。

高麗人参と同じ「補気薬」の代表です。

■気を補う

補気薬とは、を補う薬。「気」は活動するためのエネルギーであったり、やる気であったり、身体を守る力であったり、目には見えなくても生きる上で欠かせない要素です。

生活している中で絶えず消費されるものなので、その分は補充が必要です。

食べ物から、空気から、体は日々「気」を取り込んでいますが、過度の消耗があったり、取り込む力が弱いと、気の不足「気虚」が起こります。

食欲がない、体がだるい、動きたくない、やる気が出ない、風邪を引きやすい、息切れ、汗がだらだら出る、不正出血、お腹が緩い‥など

このような時に助けてくれるのが補気薬です。

■黄耆の性質:甘、温、補

黄耆は、消化吸収を行う「」、呼吸を主る「」、この2つの働きを特に高めます。どちらも「気」を取り込む為の重要な働きです。

○体を温め、脱力しているものを上に持ち上げる

「気」は陽気といい、温める力を持っています。身体全体の巡りを良くして、代謝を活発にする為に「陽気」はなくてはならないものです。

また、その場所に留め、支える為にもエネルギーが必要です。「気」が極度に足りなくなると、重力に従って色々な物がだらんと下がってしまいます。

手足が重い、寝転びたい、胃下垂、脱肛、低体温、足のむくみ、代謝が悪い、軟便、少ない出血がだらだら続く…

黄耆は、本来の位置に持ち上げてキープし、不要に下へ流れてしまわないように保持してくれます。

○体表を強め、身体を防衛する

体表は外からの刺激を直接受ける場所。身体を守る為の最前線です。

「気」が届かないと、皮膚が弱く、汗腺は緩みっぱなしで体の水分が漏れ出てしまったり、体温調節が不得意、また、外からの邪気も緩んだ所から簡単に入り込んでしまう為、体は外部の変化に影響されやすくなります。

少し動いただけで汗がだらだら、かぶれやすい、傷の治りが遅い、暑さで夏ばて、冬は風邪を引きやすい、風にあたるとぞわぞわ…

黄耆は、エネルギーを体表に行き渡らせて肌を丈夫にし、外からの様々な刺激から、体を守る力を高めてくれます。

○余分な水を排出する

人間の体の60~70%を占める水分、これを体内に巡らせて活用する為にも「気」のエネルギーが必要です。

巡らせる力が足りなくなると、摂った水分は体に溜まりっぱなし。余分に溜まった水分は、隅々まで新鮮な栄養を届ける「気」と「血」の流れも邪魔してしまいます。

おしっこが少ない、むくむ、関節痛、しびれ、汗がじっとり、肌に弾力がなくぶよぶよ、食べていなくても太る

黄耆は全身、特に体表付近に溜まっている水の流れを助けてくれます。持ち上げる働きと相乗効果で、足のむくみも和らげます。

■黄耆を含む漢方薬

・主にを補う・・・黄耆建中湯、補中益気湯、桂枝加黄耆湯

を補う・・・ 帰脾湯、人参養栄湯、十全大補湯

の代謝を改善・・・ 半夏白朮天麻湯、防已黄耆湯

他に、七物降下湯、清暑益気湯、清心蓮子飲など、「気」が不足気味の人の不調に使う漢方に含まれます。

「気」は、どんな活動にも欠かせないものです。一時の消耗で「気」が不足したのであれば、まず休養が一番!

もし、元々「気」を取り込む力が弱いかも、と感じたら・・・植物の力を借りて、心も体もいつも活き活きと過ごしましょう!


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執筆者 児島 諒子
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員

一時的にではなく、体質からの改善につながる漢方に魅力を感じ、大学生で初めての就活をしている中で出会ったのが、漢方みず堂。
漢方は勉強するほど、奥深くておもしろいです。
今の身体の状態をつくっている心の持ち方、食事、運動、休息など様々なことに目を向けながら、漢方の力を生かして心地よい体づくりをお手伝いできればと思います。
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