阿膠(あきょう)

2016年4月5日

生薬

阿膠(あきょう)

ロバ由来の生薬

阿膠は、ウマ科ロバの皮を煮込んで作られる膠(にかわ)です。

膠というと、昔ながらの接着剤のイメージだったり、あまりピンと来ないかもしれませんが、ゼリーやプリンの材料、“ゼラチン”のことです。

食用のゼラチンも、牛や豚などの動物から摂っています。ただ、精製され過ぎており、阿膠のような効果は期待できません。

ロバの皮から摂れたもの、特に中国山東省のものが有名で、漢方薬に重宝されています。

コラーゲンの元がたっぷり

煮込む過程で、皮に含まれるコラーゲンが熱でほぐれ、細かくなったタンパク質やアミノ酸、ミネラルなど色々な栄養素が溶け出します。

阿膠にはコラーゲンの材料が沢山含まれるので、美肌・美髪・アンチエイジングなど、美容に良いとTVで話題になったこともありますね。

阿膠は高価なものだった為、入手できるのは高貴な身分の人々だけでしたが、昔から、美容や不妊治療の目的で使われていました。

今も重宝される阿膠、ロバの数が減っているため、希少価値が年々高くなっている貴重な生薬です。

安価なゼラチンで代用されていることも多いですが、本物の阿膠が持つ力はやっぱり魅力的です。

阿膠の薬性

○補血 ~女性の健康と美の秘訣~

体の隅々まで栄養を届け、ツヤ・潤いを生み出す「血」を補います。

特に女性は、「血」の巡りが身体のバランスに大きく影響します。

生理リズム・妊娠力・胎児の発育・更年期の体調・肌や髪ツヤ …

どれも、豊富なきれいな「血」が欠かせません。

阿膠は「血」を補い、ホルモンバランスに関わる「肝」の働きを整えます。

 

○止血 ~大事な「血」を守る~

補うだけでなく、「血」の漏れを防ぐ働きもあります。

不正出血、鼻血、血尿、血便、憶えのないあざ、流産・・・赤ちゃんは“「血」の塊”)

まとまる力を失くして体から漏れ出ていく「血」を、本来の場所に留めます。

体力を消耗した時の出血や、虚弱な人、喉や肌が乾燥傾向の人の出血に効果的です。

 

○滋陰 ~体を芯から潤す~

体の大半を占める水は、血液、リンパ液、汗、消化液などの元であり、体を潤し、体温を適温に保ち、老廃物を流し出す・・・など、沢山の役割を持ちます。

長期間の疲労や病気によって、また、年を重ねると共に、身体は乾いていきます。

ほてり、肌の乾燥、喉が渇く、目が疲れる、足腰がだるい、眠れない、寝汗、便が固い・・・

阿膠は、水分摂取では補いきれない、もっと奥から体を潤します。

呼吸器や肌を整える「肺」を強化し、一生を支えるエネルギー源「腎」を滋養します。

「腎」が弱ると老化が進んでしまうので、良い状態を出来る限り維持したいですね。

阿膠を含む漢方薬

・不正出血、生理不順、不妊症など婦人科系に・・・温経湯芎帰膠艾湯

・ほてり、不眠、動悸など、潤い不足による熱症状に・・・炙甘草湯黄連阿膠湯

・血尿、膀胱炎、腎炎など泌尿器系に  ・・・猪苓湯

・咳や痰に、特に顔のむくみを伴う場合  ・・・杏蘇散 

阿膠を飲む時は、他の生薬を煎じた後に溶かし入れます。

動物特有の匂いがありますが、阿膠の力強いパワーを借りたい時は多少の飲みにくさは我慢です。


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執筆者 児島 諒子
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員

一時的にではなく、体質からの改善につながる漢方に魅力を感じ、大学生で初めての就活をしている中で出会ったのが、漢方みず堂。
漢方は勉強するほど、奥深くておもしろいです。
今の身体の状態をつくっている心の持ち方、食事、運動、休息など様々なことに目を向けながら、漢方の力を生かして心地よい体づくりをお手伝いできればと思います。
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