芍薬(しゃくやく)・白芍(びゃくしゃく)・赤芍(せきしゃく)

2016年5月11日

生薬

芍薬(しゃくやく)・白芍(びゃくしゃく)・赤芍(せきしゃく)

立てば芍薬

この時期、5月頃~花屋さんの店頭にも並ぶ芍薬。その姿は、実に優雅で品があり、大きく存在感がありますね。日本では「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉があるように、美人の代名詞として古くから親しまれてきた花です。 芍薬は、ボタン科の多年草で、原産地は東アジアです。日本には平安時代に渡来し、薬用、観賞用として栽培されていました。花は牡丹(ボタン)とよく似ていますが、芍薬は草(多年草)で牡丹は木(花木)。また、芍薬はバラバラと散るのに対して、牡丹は一気に散るという違いがあります。牡丹は中国では国花にもなっていて高貴な花であるのに対し、芍薬は庶民的な花として愛され昔から親しまれています。

花言葉

花言葉は、『恥じらい・はにかみ』。夕方になると花びらを閉じる性質があり、西洋では、恥ずかしがりの妖精が、この花に隠れた時花が赤く色づいたそうで、この言葉がついたそうです。大輪の花も可愛く思えますね。

赤芍と白芍

漢方では、芍薬の根を使いますが大きく分けて2つの芍薬があります。

○赤芍…外皮をつけたまま乾燥させたもの:血を活性化(活血)し、お血をとる。熱を取り、血を冷やす。(清熱作用)

○白芍…外皮を取り除いて乾燥させたもの:滋養を与える(補血)、痛みを取る(止痛・鎮静)

現在日本市場に流通するほとんどの芍薬は「白芍」と考えられます。しかし、メーカーさんによっては方剤ごとに白芍と赤芍を使い分けており、その辺りも同じ方剤名でもメーカーによって違いが出てくる所以です。

例えば「四物湯」という漢方薬は、当帰・芍薬・川芎・地黄からなる、一般的に血を補う漢方方剤です。

この時に、芍薬=赤芍、地黄=乾地黄を使えば、清熱作用・活血作用が強くなり、より瘀血体質で熱がこもっている方に適します。(ニキビ、便秘、肩こり、のぼせなど)

一方、芍薬=白芍、地黄=熟地黄を使えば、補血作用がつよくなり、より血虚体質の方に適します。(貧血、乾燥肌、脱毛など)

多用される芍薬

芍薬が使われている漢方薬は、葛根湯や芍薬甘草湯、当帰芍薬散、温経湯、桂枝湯を始め、実に多くの漢方薬に配合されています。

見事な花で私たちの心を癒してくれて、根は身体を整えてくれる芍薬。

今年は感謝の気持ちで、この花をめでたいと思います。

 

漢方みず堂新生堂薬局五条店 池田 史子

漢方みず堂同仁堂薬局下通り店 中島 和美


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執筆者 漢方みず堂
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