めまいと漢方~原因不明のめまいが2週間で改善!~

2019年3月20日

自律神経失調症と漢方

めまいと漢方~原因不明のめまいが2週間で改善!~

突然のグルグルめまい、そこから不調続き…

めまいでお悩みの方は少なくありません。色白で小柄な女性もその一人でした。

2週間前、胃が痛くなり一晩中眠れなかったのが不調の始まり。翌日には突然グルグルめまいがして立っていられない状態。血圧が普段より高くなっており、病院で血液検査とMRIをとったが異常はないとのこと。ひとまず処方されたお薬を飲んで、次の日はなんとか歩くことができるくらいに。3~4日経つと、グルグル感は落ち着いてきて・・・でも、代わりに別の不調が現れ始めました。疲れるとふわふわと雲の上を歩いている感じがしたり、1日中ボーっとして眠気が抜けない感じ、いつもだったら平気なことでもすぐに疲れるようになりました。そして、更年期の時にあったようなホットフラッシュも1日に10回くらい起きるようになりました。

この2週間でこんなにも色々起こるなんて、今考えると、大きなストレスがあったのが要因かもしれない…自分はまだまだ大丈夫だと思って頑張りすぎてしまったそうです。

【体質】

疲れやすい、風邪をひきやすい、寒がり、足の冷え、寝汗、肩・首・背中のこり、足のむくみ、鼻水出やすい、肌の乾燥で痒み、目の下のくま、爪が割れやすい、疲れると頭痛、口渇(熱飲)、ちょっと食べると胃が痛い、夜間尿2~3回、熟睡できない、舌:厚白苔、歯痕あり

■西洋医学的なめまいの原因

めまいの出方は2パターン。

○回転性めまい・・・自分や周りがぐるぐる回るように感じるめまい

○浮動性めまい・・・グラグラ・ふわふわ、揺れるようなめまい、立ちくらみ

 

めまいが起こる主な要因は、平衡感覚をコントロールする機能のどこかに問題が生じた時です。平衡感覚に関わるのは、位置情報をキャッチする「感覚器官」(耳、目、手足など)と、その情報を受けて指令を出す「脳」です。複数の感覚器官からの情報を処理して、平衡感覚が保たれていますが、その情報がちぐはぐな場合、「脳」は正しい平衡が分からなくなり、めまいが起こります。めまいの原因は、問題が起きている場所によって大きく3種類に分けられます。

が原因のもの・・・良性発作性頭位めまい、メニエール、前庭神経炎、突発性難聴など

が原因のもの・・・脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など

耳や脳以外のもの・・・頚性めまい、高血圧、低血圧、貧血、肝機能障害、甲状腺機能低下、自律神経、ホルモンバランスの崩れ、心因性ショック、過労、発熱、薬剤性など

 

この中で最も多いのは、耳が原因となるめまいです。耳には、平衡感覚を感知するために特に重要な、三半規管や耳石器があります。その為、炎症や水腫など耳で何かしらの問題が起こると、めまいにつながりやすいです。一方、診断がつかないめまいも多く、20%ほどあるようです。

引用:めまいプロ めまいと上手につきあう心得

めまいの治療は、その原因となっている疾患の治療を行います。その為、治療法は様々です。

○耳が原因のもの・・・良性発作性頭位めまいでは、耳石を元の位置に戻すリハビリ。メニエールでは水腫を除く利尿剤、前庭神経炎、突発性難聴には炎症を抑えるステロイド、など。めまい発作の急性期には、前庭機能抑制薬、制吐剤、精神安定剤などめまいを鎮めるための対症療法を行う。

○脳が原因のもの・・・腫瘍や緊急の場合は外科的手術、血栓による場合は血栓溶解療法、予防に脳循環改善薬など。

■漢方的に見た「めまい」の要因

気血不足・・・気が不足すると脳へエネルギーが届かず、神経の伝達が鈍ることで、めまいを起こす。また、血不足により脳を滋養できなけれ、栄養の欠乏状態からめまいに。気不足、血不足は連動して起こることが多い。このタイプのめまいは、体力がない人に多く、活動すると悪化する。ふわふわ、くらっと倒れそうなめまい。

腎精不足・・・脳を満たす「髄液」、これは「腎精」から作られる。加齢などで「腎」の力が弱くなると、髄液を十分に届けられず、脳の働きが弱くなっていく。物忘れ、難聴、低音の耳鳴りなどと共にあらわれてくる。くらくら、ぼーっと意識が遠のくようなめまい。

痰濁中阻・・・「脾」や「肺」が代謝できずに滞った水は、どろっとした性質の「痰濁(痰湿)」となり、気血の通り道を塞ぐ。巡りが悪く、きれいな気血が脳へ届かないため、ぼんやりするめまいを起こす。「痰濁」という錘(おもり)を抱えているため、体が重だるく、頭重感、気圧変化で頭痛、胸辺りの痞え感、口の粘つきなどを伴う。「痰濁」があると嘔吐を伴う。

肝陽上亢・・・「肝」は気の巡りをコントロールするところ。興奮気味な人、ストレス、季節の変わり目など、「肝」の陰陽のバランスが崩れると、陽気が異常な急上昇に走り、血圧上昇、頭痛、のぼせ、めまい、高音の耳鳴りなど上部の熱症状を起こす。突然、立っていられないくらい激しく出るめまいが多い。

瘀血内阻・・・「瘀血」は血流の滞り。血の質も、巡りも悪い状態。血をどろどろさせる食生活や運動不足、冷え、他に、打撲など外傷でも「瘀血」が作られる。「瘀血」は気の巡りも妨げる。脳へ気血がスムーズに届かないため、めまい、立ち眩みを起こす。特定の場所に激痛が生じたり、急な体勢変化でめまいが起こりやすい。脳卒中はこのタイプ。

■症例の経過

この方は、もともと胃が強いほうではなく、体力もありませんでした。胃は飲食物を消化してエネルギーを取り込んだり、水分を捌いたりするところ。この消化吸収や分配する働きが弱い「脾虚」のために、水分がうまく代謝できず、余分な水が溜まりやすくなっていました。そこにストレスや疲れがのしかかり、さらに拍車をかけてしまったのでしょう。「脾」では過剰な水(痰濁)を溜め、他方では、過度のストレスが「肝」の働きを失調させ、エネルギーの流れを逆流させた結果(肝陽上亢)、痰濁を頭部へと押し上げ、血圧上昇とともにめまいを起こしたのだと思います。めまいが落ち着いた後も、頭部に残った痰濁は、血流を妨げて、ふわふわ感、眠気、ぼーっとする感じを招いたり、ホットフラッシュの汗としてあふれ出る元になっていました。

そこで、「脾」の水分代謝を助け、「肝気」の流れを下へと戻す働きがある漢方を飲んでいただいたところ、2週間後には、めまいも疲れもホットフラッシュもすっかり良くなりました。

 

症状が出てから長引かせずに早めに漢方を飲んでいただいたことで治りも早かったのだと思います。不調は、体からの「ヘルプ」のサイン。放っておかずに早めの対処が大切です。

 

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執筆者 星 知美
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員

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