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中間管理職でうつ症状、改善までの道のり

2017年6月8日

うつ病と漢方

中間管理職でうつ症状、改善までの道のり

中間管理職のストレス

40代の男性。まずご自分から自律神経失調症だと言われて、奥様とご来店。

丁度同時期に冷え性も発症したとの事でした。さらに眼精疲労も出てこられ、ここ1年は極端に動悸や吐き気も極端に多くなっている。

仕事上中間管理職のため、すべてが板挟みでストレスフル。でもご自分ではどうしようもなく、ただ日々悶々と過ごしているという感じ。大好きだった、フットサルもだるくて行けずに益々落ちこんで、暗くて、表情もあまりない、典型的なうつ症状の様でした。

病気は右肩上がりに良くなるわけではない

漢方的には、「気」が極端に落ち込んでくぼんだ状態のいわゆる「気陥」の状態と考え処方を選んでお渡ししました。

1ヶ月目では、仕事もようやく先が見えるようになってきて余裕が出てきたこともあったようですが、考え方もマイナス思考からプラス思考に変えるように努力をされ、できるようになってきたとの事。それと同時に、寝つきも良くなり、疲れが残っている感じも無くなり、食欲が出てきて、運動もしようかなという意欲がでてくるようになって来たという嬉しい話。隣にいた奥様もニコニコ。

3ヶ月目には、めまいも無くなり、ほぼ毎月のようにひいていた風邪も引かなくなったとの事。この時点で、漢方を根本的な人間が持つ腎の機能を高めていくものに変更しました。

それから2~3カ月後、秋となり、仕事も繁忙期になり、かなりのストレスで、体の動きと脳の動きが付いて行かずに手が震えるという症状と手足の冷えが出てきました。

これは、元気が衰えているものの、過度の緊張で、フラ~フラ~と体の中に蜃気楼が起こっているような状態で、それを改善するような漢方をお渡ししました。この症状は1ヶ月で消滅し、再度元の漢方へ。

漢方薬を飲み始めてほぼ1年経過しますが、ご本人談では、秋と年度末が異常に忙しいけども、今回の年度末は何とか乗り越えられた。以前は昼寝をしないとダメで、毎日昼寝をしていたが、今は大丈夫。調子が悪くなると冷えが出ていたけれども、現在は冷えも大丈夫になったようです。

右肩上がりにはいかないけれど

病気は右肩上がりに一直線に良くなるわけではありません。特に春と秋は様々な病気が悪化する時期。その悪化を何度か繰り返していくと、春でも秋でも何の症状も出なくなってきます。ビックリするくらい改善していくのも事実です。

ぜひ諦めないで、症状に一喜一憂をせずに、きっと元気になる!症状が改善する!と強く思って、進んでいってもらいたいですね。


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執筆者 河端 孝幸
薬剤師・漢方みず堂代表取締役社長
大学生時代に、地域の人々の役に立つ仕事がしたいと漢方の道に入りました。漢方の「か」の字も知らずに、なぜ、草とか根っことか葉っぱが効くの??という西洋医学だけしかやってこなかった私には疑問ばかり。
就職して半年くらいがたったころ、「病気は自然治癒力が治す」という小倉重成先生の本と出合い、漢方のすごさを知り、真正面から漢方を目指し今現在に至っています。
漢方の良さを知ってもらいたい。宣伝ではなく本当の気持ちや事実をお知らせしたい。そんな気持ちでこのサイトを立ち上げております。
ぜひ、よろしくお願いいたします。

統合失調症の息子と父の絆

2015年7月13日

うつ病と漢方

統合失調症の息子と父の絆

どんどん息子じゃなくなっていくようで・・

外はまだ肌寒い季節にいらした親子。

30歳の男性(息子さん)がチラシを片手に「これを見て今日は来ました。」そう話すなり、いすに腰掛けグタッと机の上に顔をふせてしまいました。

そこからはお父さんが代わりに話をして下さいました。

実は病院で統合失調症といわれ薬を飲んでいる。いつもぐったりして体もきつそうにしている。

そんな日々が3年間も続いていて良くなる傾向が見られず逆にどんどん息子じゃないようになっていくのも見るに耐え難く、どうにかならないかと思い悩んでと言うことでした。

お父さんの話が終わると同時に今まで顔を伏せていた彼が起き上がり、まっすぐにこちらを見て大きな目を輝かせ「治りたいです!元気になりたいです!よろしくお願いします!」と力強くはっきりと言いました。

3Lの清涼飲料を禁止

いきなり病院の薬を抜くことはできないのではじめは生活習慣から改めることになり、一番問題だったコーラ・スポーツ飲料の一気飲みやそれらのものを一日3L飲むということをやめてもらいました。お父さんも家の前にある自動販売機を撤去させ家族ぐるみで向き合い始めました。

それから1ヶ月ドリンクを飲まなくなって5kg体重が落ち最終的には3ヶ月で10kgやせることができました。

この飲料水をやめてから体調はどんどん良くなり1ヵ月後から薬の減量をはじめ外での運動も開始!

会話もはっきりできるように

漢方を飲み始めて動悸や不眠、息苦しさからも開放されていきます。

これまではほとんど外出できない状態でしたが体が動くようになり、お父さんと大好きなサッカー(もともと部活でやっていた)で体を動かしたり、ランニングを始めたりと、そこから状態はどんどん良くなり、表情も明るくなり冗談も言えるようになります。会話もはっきりとできるまでに状態は良くなっていきました。

初めは20錠以上飲んでいた薬も1日2錠にまで減らせました。本人も社会復帰を目指して頑張っています。

最近の口癖は「一日も早く親孝行がしたい」です。本人のやる気と家族の支えで親孝行ができる日が一日一日近づいてきていると信じています。


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執筆者 盛本 直也
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員

統合失調症やうつ病に甘草瀉心湯

2015年7月3日

うつ病と漢方

統合失調症やうつ病に甘草瀉心湯

精神疾患の漢方薬

今から10年以上前、当時は漢方相談薬局に勤め始めた頃で、とにかく勉強しなければ仕事にならないこともあり、辞書よりも重い1000ページ以上ある本を常に持ち歩き、時間を見つけては読み進める毎日。もともと漢方には興味深々でしたので、苦しかった記憶もなく「へえ~こんな病気にも使えるんだ。」「こんなものにも?!」と楽しみながら読んでいた事を良く覚えています。

読んでいて一番驚いたのは、ある漢方薬の使用例に「精神分裂症」と書かれていたことでした。今で言う「統合失調症」です。

がんや難病の漢方薬での治癒例は何度も目にしていましたが、精神疾患の非常に難しい部類に入る疾患にも使えるのだと知り、自分の中での漢方の世界も広がっていきました。

狐惑病(こわくびょう)には甘草瀉心湯

その漢方薬は「甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)」という漢方薬でした。使用例にも驚きましたが、さらに「狐惑病」という記述が目に入りました。

狐に惑わされる病気??

読み進めてみると、「狐にとりつかれたような精神の不安定な状態のこと」でした。これを読み、冒頭の精神分裂症という使用例にも納得がいきました。

甘草瀉心湯が合う体質

漢方の良いところは治るメカニズムの細かい理由は置いておいて、確かに効いたという事実の積み重ねであることです。大昔からあり、長く使われてきて確かに効くというものだけが今に伝わってきているので信頼できます。

そしてどんな人に効くのかを体質という視点で捉えているのも西洋医学と大きく違います。ここを間違うと効くものも効きません。

甘草瀉心湯は、やや体力がある熱証タイプの人の精神疾患(鬱病、不眠症などにも)に良く使用されますが、みぞおちの痞え、お腹がゴロゴロ鳴る、下痢が日常的にある体質(脾胃不和)の方に合います。(自己判断で使用せずに、必ず専門の方に判断していただいてご使用下さい。)

甘いものには鎮静効果がある

ちなみにこの漢方薬の名前にもある「甘草」は、その名の通り甘みが強く、砂糖の50倍とも言われています。

甘いものを食べると、心も体も緩むので、イライラや不安感もふわっと和らぎますが、実際に甘草の薬効にも結構な鎮静効果があります。

伏見稲荷大社で神様の使いとして有名な狐。その大好物はおいなりさんの甘い油揚げと言われますが、私達の心の中の狐もきっと甘いものが好きなのでしょう。

自分の中の狐と上手につきあえば、段々と悪さをしなくなり、その内きっと良いお告げを運んできてくれる存在になってくれるはずです。

漢方を飲めば良くなるわけではない

漢方薬は一つの手段で「この漢方薬を飲んだら、100%良くなる」とは言えません。本当の意味で良くなるためには、カギを握っているのは「心」の状態だと思っています。私のこれまでやってきた実感として、確かに誰しも自分で治す力を持っています。その力を最大限発揮できるようにお手伝いするのが私たちの役目だと思っています。 たった一度の大切な人生を、一緒に大切にしていける相談員として。

そして少し疲れたら、ちょっと休憩しましょう。甘いものでもつまみながら。でも、できれば白砂糖ではないものを。

実は私も甘いものが大好きです。名前のせいにしてはいけませんが・・・。


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執筆者 伏見 浩幸
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員
漢方薬の持つ力の素晴らしさとともに、人間の持っている力もすごいなぁと日々感じています。漢方薬だけではなく、私たち自身も相談員としてお客様の「薬」なることはもちろん、今、色々なご病気で悩まれている方々も、授かった命と一緒に当然備わっている自分自身の自然治癒力に自信を持ち、自分自身が「薬」になるお手伝いができればと考えています。そんな願いを込めて一話一話を綴らせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
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