生理痛・子宮筋腫と漢方 の記事一覧

子宮内膜異型増殖症の予防に漢方

2017年8月22日

生理痛・子宮筋腫と漢方

子宮内膜異型増殖症の予防に漢方

子宮内膜異型増殖症

子宮の内膜を覆っている内膜の全体、あるいは一部が過剰に増殖して、内膜が異常に厚くなる疾患です。

子宮体がんの前がん状態として扱い、2~3割程度ががんに移行すると言われています。原因は女性ホルモンの作用過剰が考えられ、治療としては子宮全摘、子宮温存希望の場合はホルモン治療。

子宮内膜の細胞診で異常があれば子宮内膜掻爬術を行っていきます。

5年前に子宮内膜異型増殖症の診断

46歳、女性。診断後1~2年は経過観察しながら、子宮内膜の増殖が見られたら掻爬術をするというのを繰り返していました。増殖を繰り返すため、1年前からホルモン剤を半年間服用し子宮内膜の状態は改善。治療後3ヶ月毎の検査では異常なしで一安心したものの、今後も内膜が増殖しないように体質改善をしていきたい。次回検査は3ヵ月後の予定。

また、ホルモン剤服用後から生理が来ておらず、病院では心配しないでいいと言われたものの気になっている。10代から手足の冷えもあり、30代からはお腹の冷えも感じるようになり、冷えると子宮や仙骨がチクチクじんじん痛むくらい。生理や冷えも良くなればという思いで、ご相談に来られました。

瘀血

子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫など多くの婦人科疾患を、中医学では血の巡りが悪く滞った状態、瘀血と考えます。

瘀血の原因は様々ですが、血は単独では流れることができず、気の力を借りることで体のすみずみまで行き渡らせることができます。なので、気不足や気の滞りがあると血の滞りに繋がり、もちろん流れる血自体が少なくても滞りを生じます。

また温める力が弱いこと、水の滞りがあり慢性的に冷えることで、血の巡りが悪くなっている場合もあります。血の巡りが悪いと、肩がこる、末端が冷える、むくみ、あざができやすい、目の下のくま、しみ等が見られることが多いです。

冷えの改善

漢方の服用を始めたのは冬の終わり頃、いつもならお腹や腰が冷えて痛みを感じ、明け方冷えて目が覚めることもありましたが、服用から2週間くらいでお腹がすごく温かくなっていて、とても寒い日もそれほどきつくなく過ごせました。その後も気温の不安定な春、湿気の混じった冷えを感じる梅雨時期、クーラー冷えしやすい夏も、今までにないくらい快適に過ごせています。

生理が毎月来るように

漢方の服用を開始した月に、経血量は少ないものの、生理が再開。その後も経血量に大きな変化はありませんが、毎月順調に生理も来ており、以前感じていた生理前の胸の張り、寝つきの悪さもなし、生理痛もなく快適に過ごせています。

子宮内膜の増殖なし

2回目の3ヵ月後検査。内膜の厚みもなく経過良好。次回は6ヵ月後でかまわないとのこと。ほっと一安心。今後もこのいい状態が続くようコツコツ続けていただきたいと思います。

女性特有の疾患でお悩みの方は少なくありません。近年では、女性特有のがんの増加、若年齢化も言われています。女性の体は複雑で繊細だからこそ、病気を部分で捉える西洋医学より、全体で捉える東洋医学が適していると感じます。女性の皆さん、小さい不調はそのままにせずきちんとケアしてあげましょう。

 

漢方みず堂ヴァインドラッグ末吉薬局 山城 奈央


執筆者 漢方みず堂の画像

執筆者 漢方みず堂
株式会社漢方みず堂は福岡、北九州、佐賀、熊本、那覇、浜松に展開する西日本最大の漢方相談薬局です。

生理痛(月経困難症)を西洋医学的・東洋医学的に徹底解説

2017年2月22日

生理痛・子宮筋腫と漢方

生理痛(月経困難症)を西洋医学的・東洋医学的に徹底解説

西洋医学的には

生理は子宮内膜という赤ちゃんを育てるベッドが、妊娠しなかった場合に剥がれ落ちて血液と一緒に排泄されます。

子宮内膜が剥がれるためには、子宮自身の筋肉を収縮して剥がさなくてはなりません。その際に感じる下腹部痛や腰の痛みを月経困難症(生理痛)といいます。

生理痛の分類

生理痛は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、クラミジア感染、性器奇形、骨盤内うっ血など器質的異常を認める続発性(器質性)月経困難症と、器質的異常のない原発性(機能性)月経困難症とに分類され、治療方針も異なります。

原因

生理痛に限らず痛みにはプロスタグランジン(PG)というホルモンが関係します。

PGには様々な作用がありますが、生理のときに子宮の収縮を促して経血をスムーズに体外に出す役割があります。

その一方で痛みを感じやすくさせる作用と炎症を引き起こす作用があります。

PGは子宮内膜で作られ、子宮筋層に作用し、子宮収縮を起こします。

生理前にPGの分泌が多くなりますが、過剰に分泌すると生理痛の原因になります。

食生活では、動物性たんぱく質(肉、卵、魚、乳製品)はPGの原料(アラキドン酸)となります。

肥満の方は、脂肪細胞からエストロゲンが分泌され、子宮内膜が厚くなるため、生理痛がひどくなります。

また、血液がドロドロとしていると、子宮から経血を出す際に強く収縮しなくてはならないので痛みが出ます。

痛みを抑えるためにPGの働きを抑制するNSAIDs(ロキソニンやイヴ、バファリンなど)または鎮痛剤が効かない人はピルを使用して排卵そのものを停止させます。

ですが、PGは決して悪い作用をするものではなく、排卵の際に必要なホルモンです。鎮痛剤を飲み続けると排卵に影響が出ると言われています。

中医学的には

生理痛は中医学的には「痛経」と呼び、痛みのある月経という意味があります。

生理痛に限らず、痛みが起こるのは「不通則痛(ふつうそくつう)」と言って、”通らないから痛い”と考えます。通らないというのは、体の構成成分、気血水のいずれかが滞っているということです。

原因

①気滞血瘀

ストレスやイライラ、怒りっぽい性格が原因で気の巡りが悪くなり、さらに血の巡りが悪くなっている状態。

ストレスがかかると気が滞り、脹痛(張って痛い)が起こりやすくなります。ストレスによる痛みは出たり消えたりする性質があります。

気のめぐりが悪い状態が続くと、血の巡りが悪くなり瘀血を生じます。瘀血の痛みは針で刺すようなズキズキした固定性の痛みのことが多いです。

②寒凝胞中

胞中(子宮の中)の血が、冷え(寒)によって凝固されている(血がドロドロになっている)状態。

呉茱萸のページにもあるように、冷えると液体は固まります。そうすると瘀血を生じます。冷えからくる瘀血の痛みは、ひきつるような痛みで温めると軽減することが多いです。

③気血虚弱

気と血の不足。生理によって大量の血を排出し、子宮が空っぽになって子宮がうまく働かない状態。

生理後半~生理後に弱い痛みが起こることが多く、シクシクすることが多いです。

肝腎虚損

腎(両親から受け継いだ生命エネルギー)の低下と、血液の貯蔵場所である肝の血の不足が起こっている状態。

肝腎同源といわれるように、肝が弱ると腎が弱り、腎が弱いと肝も弱くなりやすいという関係があります。痛みの特徴は、腹痛のほかに、腰痛や腰がだるいという腎の症状が伴います。

若い頃は実証、熟年期は虚証

上記の①と②は実証で、生理前に痛くなる、押さえると痛い、という傾向があります。若い女性は割りとこの①②が原因のことが多いです。

③と④は虚証で、生理後半に痛くなる、押さえると気持ちがいい、という傾向があります。加齢するにしたがって、出産や過労で消耗し、虚証の生理痛が多くなってくるといわれています。

鎮痛剤はその時の痛みは止めますが、根本的な解決にはなりません。痛み止めは血行を悪くするため、悪循環でもあります。

まずはご自身の生理痛の原因を知り、しっかり体質を改善することで鎮痛剤のいらないお身体を作っていくことが根本的な解決になると思います。


執筆者 星 知美の画像

執筆者 星 知美
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員

心が変わると身体も変わります。
それを日々感じます。

駆お血剤で子宮筋腫の手術を回避!

2016年2月2日

生理痛・子宮筋腫と漢方

駆お血剤で子宮筋腫の手術を回避!

手術をすすめられた子宮筋腫

46歳女性の方。10年くらい前より子宮筋腫を患い、大きさも徐々におおきくなっていてお腹に圧痛を感じることも・・・。

1年前からは医師から手術を奨められるも手術は絶対したくないため、転院も2回しました。しかしこのまま大きくなるにつれ不安もあり手術も避けたいため、何かしなければと思い立って漢方を選択されました。

生理前後で貧血気味にはなるもののガッチリタイプ。高脂血症と、軽度の甲状腺機能障害もありました。それぞれ服薬して数値は横ばい。体質としては、暑がり、肩・首すじの凝りがひどく、むくみやすい体質。

筋腫は瘀血

子宮筋腫は漢方では、血の巡りが悪く滞っている状態で“お血”といいます。そのために筋腫ができ、なおかつ巡りがわるくなるため、肩こりなど血液循環に関係する症状がひどくなります。この滞りを解消して巡りを良くしてあげれば、水はけも良くなり、肩こりやむくみやすい体質も改善され、筋腫にも効果を現すわけです。瘀血を解消する「駆お血剤」にも色々あります。しっかり自分の体質に合ったものを飲むことが大切です。

手術は様子を見ることに!

服用後1ヶ月目でおしっこの回数と量が増え、むくみも少し改善されてきました。2~3ヶ月目は通院もなく、筋腫の状態も確認出来ませんが、むくみが解消されたためか自然に2㎏体重が減少。体調も良く疲れにくくなったと喜ばれていました。

5ヶ月目に入っての検査結果で筋腫の大きさは変わらず。しかし、圧痛が減少したりなどの変化はたくさんあり、いつの間にか顔によくできていたイボがなくなっていることにも驚きでした。また、検査時に測った体温が36度2分、本人は微熱があるのかと思って帰宅して測っても36度1分。翌日、翌々日も36度1~3分、風邪気味でもなく体調も良好。今までは35度台で36度台になったのは初めてでこれまたビックリ!

服用10ヶ月目に入りますが、筋腫はさほど大きさに変化はないものの圧痛もなく、医師もこの調子であれば手術はせずに様子を見ましょうとのことでご本人も一安心されて日々を過ごされています。

体温が上がると自然治癒力も上がる

一番のポイントは平熱が36度台に上昇したことで、本来体が持つ自然治癒力がアップして症状の改善に繋がったことです。現代人は草食から肉食への変化や偏食などで体温が低下していると言われます。本来37度あったものが35度台へと低下し、そのために本来の自然治癒力も低下しているわけです。この下がってしまった平熱を上昇させる効果が漢方の一つの特徴とも言えます。

 

※子宮筋腫関連の記事

内膜が6mmでの妊娠、出産!

「こんなに漢方が効くなんて!」4か月のスピード妊娠!


執筆者 浦山 剛の画像

執筆者 浦山 剛
薬剤師・漢方みず堂漢方専門相談員
漢方に携わり30年以上が経ちました。

今後は長年培った知識や経験をお客様に少しでも還元させていただきたく、
日々、元気で明るく前向きに係わらせていただきます。
まだまだ若い後輩たちには負けませんよー!
12