漢方みず堂 が投稿した記事一覧

辛夷(しんい)

2014年10月22日

生薬

辛夷(しんい)

早春の彩りの少ない季節に白い炎のように見えるのがコブシの花です。

蕾の形が手の拳(こぶし)に似ているのでこの名前が付きました。

蕾や遠目ではコブシもモクレンも見分けがつきにくいですが、開花した時に花弁が離れているのがコブシのようです。

モクレンは木に咲く蓮の花といった意味で木蓮の字が当てられます。

 

コブシかモクレンか見分けがつかないものの、白い花も満開に咲いています。

開花直前の蕾を収穫して軸を抜き、風通しのいい所で陰干しすると薬になります。024

辛夷(シンイ)はモクレン科のコブシ、タムシバ、ハクモクレン又はモクレンの毛皮状の包葉で包まれた花蕾です。別名紫木蓮(シモクレン)と呼ばれるモクレン以外は白い花弁です。

中国産はハクモクレンやモクレンですが、日本ではコブシで代用されて来ました。近年ではタムシバを利用することが多いとのことです。

 

辛夷は鎮静・鎮痛・消炎薬として頭痛・めまい・頭重感・鼻炎・鼻詰まり・蓄膿症などに用いられます。

辛夷が含まれる漢方薬は葛根湯加辛夷川芎・辛夷清肺湯です。どちらも鼻炎や鼻詰まりによく用います。

 

花粉症や風邪が多い季節、小青竜湯もよく出ますが、鼻詰まり気味の鼻炎には辛夷の含まれた漢方薬もよく処方されます。

眼鏡やマスクで防御したり、早目に漢方薬で対処したりして、辛い季節を乗り切りましょう。


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執筆者 漢方みず堂
株式会社漢方みず堂は福岡、北九州、佐賀、熊本、那覇、浜松に展開する西日本最大の漢方相談薬局です。

木香(もっこう)

2014年10月22日

生薬

木香(もっこう)

12月となるとクリスマスの話題です。

クリスマス・ツリーの起源はドイツで、樹間に見えた星の輝きをモミの木に蝋燭を灯して再現したのだとか。

イギリスのヴィクトリア女王が夫君のアルバート公の出身のドイツの風習でクリスマスを祝ったのが世界中に広まったと言われます。

ヴィクトリア女王は流行の源で、純白のウエディングドレス・オレンジの花を飾ったレースのヴェールというイメージもヴィクトリア女王の花嫁衣裳そのものです。(もちろん、イギリス国産のレースでした。)

子沢山のヴィクトリア女王はヨーロッパ全土に子供たちを縁付けて(政略結婚ではありますが)、生存中は大英帝国の繁栄のみならず、ヨーロッパ内の平和も維持されたのです。

そんな存在がいない現代、クリスマス・新年と言っても休戦は望めないのかもしれません。

さて、モミの木オイルをご存知ですか?

フィトンチッド一杯で芳香や抗菌作用などが期待できます。コットンに含ませて靴箱の消臭に使ったり、麺棒に含ませて口内炎にも使っています。柑橘類の苦みにも似た味がします。

 

残念ながらモミには薬効はありませんが、木香という名の漢方薬があります。

キク科トウヒレン属の多年草の根を木香(モッコウ)と呼び、芳香健胃薬として、嘔吐・下痢・腹痛などに用います。

唐木香(カラモッコウ)・広木香(コウモッコウ)・雲木香(ウンモッコウ)とも呼ばれます。

川木香(センモッコウ)・土木香(ドモッコウ)・青木香(セイモッコウ)と呼ばれる類似植物があり、誤って副作用を起こした例もあるので注意が必要です。

 

木香が含まれる漢方薬は加味帰脾湯・帰脾湯・九味檳椰湯・女神散などです。

木香は香の字がつくように薫香料としても用います。

木香を含む漢方薬は健胃作用と共に、その香りで不快な気分を取り除きます。

 

漢方薬は病気でないと飲めませんが、モミの木オイルならば香りをお部屋に漂わせて心を鎮めることができます。

聖夜を静かな心で迎えられますように。


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